新型コロナの感染予防。特に手指衛生について
新型コロナウイルスは、アルコールを用いた手指消毒、石鹸と流水を用いた手洗いが有効とされています。
以前の記事でも紹介しましたが、コロナウイルスは環境の表面でも生きることができるウイルスなので、我々医療者が適切なタイミングで手指衛生をして、ウイルスをやっつけておかないと、医療者を介して感染が伝播してしまいます。
ウイルスが付着した手で、目、鼻、口の粘膜と接触するのを防ぐ(接触感染を防ぐ)ためには、適切なタイミングで手指衛生をしなければなりません。
では、具体的にどのタイミングで手指衛生を行うべきなのでしょうか?
手指衛生は、WHOが推奨する「5つのタイミング」で行う
手指衛生のタイミングは、次の5つです。
1.患者/患者周辺の物品に触れる前
2.清潔/無菌操作の前
3.体液に暴露された可能性のある場合
4.患者に触れたあと
5.患者周辺の物品に触れたあと
通常のケアだけでもめちゃくちゃ手指衛生しなければならないので、このタイミングを意識して真面目に守ると、正直しんどいです。
ですが、それが普通にできないと、SARS-CoV-2に限らず、その他の感染症から患者さんを守ることができません。
手袋をしていても、手指衛生は必要
手袋をしていたから大丈夫というわけではありません。
手袋には、ピンホールといわれる小さな穴が空いていることがあるため、手袋を脱いだあと、次の動作に移る前に、手指衛生をする必要があります。
また、患者間で同じ手袋を使用したりするのは、言語道断です。適切なタイミングで脱ぎましょう。
手指衛生はすべての患者さんに対して行う
標準予防策は、SARS-CoV-2に限らず、すべての患者が何らかの感染症を有しているという考えで対応しますので、すべての患者さんに対して、「5つのタイミング」を遵守することが必要です。
手指消毒剤を、近くに置こう
5つのタイミングで手指衛生を確実に行うには、近くに手指消毒剤がないと困難です。
各自で保有して持ち歩くか、ケアエリア内に設置するなど、近くに置いておきましょう!
最後に
原理原則を理解すれば、新型コロナウイルスは怖くありません。
適切なタイミングでの手指衛生に加え、院内でのマスク着用の徹底、普段の生活から3密(密閉、密接、密集)を回避することで、新型コロナへの感染リスクは大きく低下することが分かっています。
赤穂市内でも感染者が相次いで発生している状況を鑑みると、これ以上の感染拡大を防ぐには、今一度、ご自身の行動を見つめ直していただく必要があります。(厳しい言い方をすれば、現状では、まだ手指衛生をはじめとした感染対策の実施、標準予防策の徹底、院内ルールの遵守がまだまだ不十分です。)
「1人1人が実践できてこそ、明るい未来が待っている!」
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