見出し画像

存在も不在もエラー-韓国BLドラマ「セマンティックエラー」見どころ&個人的感想-

ご無沙汰しております。気が付いたらもう2022年も4月…。実はこれが今年最初のブログになります。最近はドラマを見たい欲求が低下気味で、気持ちが乗ったら書こうと思っていたら、こんなに時間が経っていました。光陰矢の如し。

そんな私が久しぶりに滾ったドラマ「セマンティックエラー」。韓国で先に配信されており、見た人がどんどん沼入りしていくのを横目で見ておりましたが、やっぱり気になったので視聴開始。最初の4話くらいまでは、面白いけどハマるほどでは…と思っていたのに、6話半分から最終話にかけてがっちり心つかまれました!

※見どころとあらすじ、全話視聴後の感想を書いていきます。途中からお知らせした上でネタバレ入れていきます。

↓予告編はこちら

概要と視聴方法

【概要】J.Soon作韓国BL小説「セマンティックエラー」が原作。韓国の電子書籍プラットフォームRIDIBOOKS「2018年BL小説大賞」を受賞した人気小説。
日本語版も電子書籍で毎週月曜日に配信中。(2022年4月9日現在8巻まで販売中・1巻無料)

【話数】1話約17分~28分×8話

【視聴可能媒体】:動画配信サービス「WATCHA」にて視聴可能。月額869円(税込み)1か月の無料体験あり。

※要VPNですがRakuten Vikiでも視聴可能。(EP2までは日本語字幕がついてました。途中からVIP会員のみ、順次無料になっていく予定。最後の2話のみ無料になるか現時点で不明)

原作より先にドラマを見ることを推奨します

これは私の個人的意見になりますが、原作を見ずにドラマから入った方がドキドキ度が増します!
たまたま公式から原作4巻まで期間限定無料公開があったので慌てて読んだのですが、どうしても原作との間違い探しみたいになってしまって、私は楽しみきれなかったところがありました。なので、このドラマに限らず…かもしれませんが、ドキドキ増し希望の方は読まないでまずはドラマから見ましょう!4巻以降はドラマ後に読んだので、最後の3話はのめりこめた気がします。

どうしてもドラマは8話という短い話数にまとめているところがあるので、スピードが速い分心情の深堀りまではできてないと思います。後から小説を読んだ方が、「あの時点でここまで思ってたのか!」というのが分かって2倍楽しめますよ。

ほんっとーにこれは個人的意見なんですが、小説原作のものは原作は後に読んだ方が楽しめる気がします。心情を細かく描写しているのが小説なので、ドラマの補填になるし、心の声を自分で勝手に被せながら原作読んだ後に見直すとさらに楽しい。先に心情を知ってからドラマを見ると、どうも駆け足という印象が先に来てしまうんですよね。
漫画原作のはどちらも”画”で見せているところがあるからか、どっちが先でも楽しめる気がします。(ドラマがどれだけ原作リスペクトかにかかってくるような…)

WATCHAは1か月無料があるので、今登録したらすぐ見れるのでまだの方はぜひ!

あらすじと主な登場人物

【あらすじ】コンピューター工学科の陰キャ学生サンウは完璧な生活を送っていたが、自己中な先輩ジェヨンとのエラーのような出会いにより人生が一変!〝予測不能な感情〟が起動してしまった!!

WATCH公式より引用
出典:WATCHA公式Twitter

チャン・ジェヨン

視覚デザイン科の大学4年生。明るく人気者、でも変わり者でもある。卒業が決まっていたのに、サンウのせいで取り消しに。仕返しと好奇心でサンウに近づく。

出典:WATCHA公式Twitter

チュ・サンウ

コンピューター工学科3年生に在籍する優等生。真面目で神経質な性格で、毎日決まった時間に行うルーティーンを絶対としており、乱されることをなにより嫌う。正反対の先輩ジェヨンと出会うことで、サンウの生活に予期せぬエラーが起きるように。

演じる俳優さんの魅力

ジェヨンを演じるのはパク・ソハム(박서함)。2021年までボーイズグループ「KNK」のメンバーだったそう。身長189cm(本人が193cmと言っていた事もある)の長身。
2022年3月10日(韓国でのセマンティックエラー最終話配信日)に入隊。(社会服務要員:2023年12月9日除隊予定)

このドラマに出ることになったのも、時期的なことを考えるとなかなか運命的なものを感じさせます。

最初にオファーを受けたときはアイドルとして活動中だったので会社判断でNGが出されたが、脱退後フリーになり再びオファーを受けることに。撮影まで2週間しかなかった上に、当時はバーンアウト(燃え尽き症候群)で引退まで考えていたので断ったが、再考した末に翌日オーディションを受けに行った。監督には「一緒に仕事することになると思った」と言われた。

キャスティングビハインド[CINE21より抜粋]

パク・ソハムのインスタを見たらチャン・ジェヨンの声が聞こえるようだった。イメージと台本のマッチングも良かったのですぐにオファーをしたが断られた。 その後2か月間ジェヨン役を探したが、監督が考えるジェヨンは現れなかった。秋のキャンパスを背景に撮影したかったが仕方なく延期しようかと思っていたところに、パク・ソハムがフリーで活動すると聞きすぐに本人へオファーを出した。 実際に会ったパク・ソハムは善良な印象で、ジェヨンのチャラさを表現できるか心配になり、翌日の2回目のオーディションに本人のインスタで最もチャラさを感じたAdidas姿で来るようにリクエストした。翌日この姿を見てジェヨンだと確信できた。(この日はパク・ジェチャンとのバランスを見るオーディションで、Adidas姿で来たパク・ソハムを見たパク・ジェチャンは「この格好でオーディションに?」とびっくりしたそう)

監督からのキャスティングビハインド[CINE21 スペースより抜粋]

Addidas姿ってこれかな?確かにほかの写真は好青年っぽいですもんね。

タイミングがバッチリ合ってキャスティングされたソハムくん。ぜひ除隊後はまた俳優として活躍してほしいです!

サンウを演じるのはパク・ジェチャン(박재찬)。 2019年アイドルグループ「DONGKIZ」メンバーとしてデビュー。2022年3月グループ名を「DKZ」へ変更。このほかにグループ内ユニット「DONGKIZ I:KAN」としても活動。

ボーイズグループのメンバーとして現役バリバリのジェチャンくん。本人の強い希望でキャスティングされたようです。

オファーを貰って会社側に積極的にやりたいと伝えた。オーディションを受けると事務所に言ったらすごく心配された。アイドルとして活動中だし、BLがまだ大衆的なジャンルではない分、周りではどのような表現(BL部分の)になるか憂慮があった。しかし台本を読んで表現のレベルも高くなく、読み進めるにつれて面白くなるキャンパス青春ドラマのように感じられる要素も十分だったので、会社を説得できた。

キャスティングビハインド[CINE21より抜粋]

初めて会ったときチュ・サンウが動いて話してると感じた。 その日に色々なシーンを試してOKを出し、最も早くキャスティングを決定した。

監督からのキャスティングビハインド[CINE21 スペース・WATCHAコメンタリーより抜粋]

絶妙な身長差の2人。サンウ役のジェチャンくんが小さいのかと思っていましたが、実は177センチもあるのだそう!抱きしめたらすっぽりと収まってしまう対格差といい、神キャスティングですよね。ジェヨン役のソハムくんが190センチくらいあるというのがすごい。身長も考慮してると、本当にキャスティングは難航しただろうなと想像できます。

実は2人はアイドル活動時に面識があったそうで、パク・ソハムがDONGKIZに「ミルキス」という飲み物を差し入れた逸話があるそう。
WATCHAの宣伝に出てた2人がゲームをやっていたときに、この単語が出てきて「?」になってしまいましたが、なるほど、そういうことだったんですね。

↓そんな楽しいゲームはこちら!公式さんが日本語字幕つけてくださってます。こういうバラエティー番組にまで字幕つくの本当にありがたいですよね…。ドラマ終わったけどこれからもたくさんお待ちしております。

この2人のケミが最高に良くて、ビハインドとかインタビュー見ててもジェヨン役のソハムくんがサンウ役のジェチャンくんのことを「可愛い」とよく言ってて和みます。

ソハムくんは監督に「まだ役の中では仲良くなっていないのに、ジェチャンくんを可愛がりすぎ!」って注意されたそうですよ。

お互いに起きた予期せぬエラー

【セマンティックエラーとは?】
プログラミング言語などで、ソースコードの記述に文法上の誤りはないが、意味の違いや矛盾によって生じるエラー。プログラムを実行するまで発見されないことが多い。

コトバンクより引用

真面目で潔癖で融通が利かず、自分もプログラミングをされたように生活することを好むサンウ。そこに現れたのが、デザインの実力はあるが、軽薄でイケメン、学校の人気者で変わり者の先輩ジェヨン。彼の存在が、整った彼の生活にエラーを起こさせていきます。

基本はサンウの身に起きた「セマンティックエラー」。でもジェヨンの心にもエラーが起きていきます。

今まで自分に興味を持たない人なんていなかった、自分がこう動けば相手はこう動く、そうやってある意味人たらしな性格で色んな人を思うように自分へと振り向かせていたジェヨンに、初めて自分に全く興味を示さない後輩サンウが現れます。
最初は自分の卒業を台無しにした相手への復讐、そこからサンウへの興味になっていき、自分の中に起こる新しい感情を知ることになるわけです。

ジェヨン先輩がやっていることは子どもっぽくて、復讐というよりいたずらっ子みたいな感じなんですが、それに応戦しているサンウがさらに子どもっぽかったりするのが笑えます。

出典:WATCHA公式Twitter

このドラマはセリフのやり取りが面白いラブコメ(コメディというほどのコメディではない)寄りの作品です。ちょっとした呼び方の違い、言葉の返し方の違いでお互いの関係が変化していくのが分かるのも楽しみのひとつ。
韓国語が分かる人が見たらもっと面白いんだろうな…と思いながら見ていました。

「BLドラマならでは」の満足感

これも好みの問題だとは思いますが、”少女漫画のような”BLドラマではなく、男性同士が恋愛しているBLドラマなのが私の中では好きなポイント。

今まで見てきたBLドラマでは(全部ではないですが)ここぞ!というところで入るスローモーションだとか、とりあえず壁ドン!みたいなのが多かったので、そういうのとはまた違った演出であったというのも良かったです。(実はお姫様抱っこも苦手なんだな…)新しい切り口を見せてもらったという感じ。
セリフも特に甘ったるいわけではないんですよね。なのにドキドキするしグッと引き込まれる。原作の面白い会話のやり取りを損なわずにドラマに入れている感じがして、すごく引き込まれました。

出典:WATCHA公式Twitter

こういうのはBLドラマでしか見られない関係性だったりするので、変に甘ったるい演出になってなくて良かった!というのが、私のこのドラマの評価ポイントかもしれません。ドキドキするけどこっ恥ずかしくならない!これ大事!

画面がおしゃれ

これも文字にするとチープになりますが、演出の仕方が粋なんですよね。

主役2人の自己紹介で二分割する画面だったり、サンウの心に起きているエラーの表現の仕方だったり、画面の色合いも含めてセンスある感じがしました。

キスシーンなどはスウェーデンBLの「ヤングロイヤルズ」を主役2人に見せてイメージを共有したりしたのだそう。参考にしたという「ヤングロイヤルズ」は、ラブシーンが特に美しいので見る機会がありましたらぜひ見てみてください。

物語の面白さとともに映像の色彩や遊び心も楽しめるドラマです。


↓↓↓
ここからネタバレ入れた感想を書いていきます
↓↓↓



ある意味ジェヨンの忍耐の勝利

ジェヨンは今まで本気ではなかったにしろ恋愛経験があったから、自分の気持ちに早いうちに向き合えていましたよね。

それとは対照的にサンウは、なかなか自分の気持ちに気づかない。エラーを起こさせた厄介な先輩。排除するとさらにエラーが起きるから、排除が間違いだったと近づく…。なのに一定のところで線引きをして逃げる逃げる。

あんな態度取られてるのに、向き合って自分の気持ちに気づかせようと必死になっているジェヨンって、すごいサンウのこと好きじゃん?どうした、どこでそこまで?とか思ったけど、笑顔が可愛いとか言ってるし顔も好みだったのかしら。(その謎は原作で解けましたけど笑)

サンウは「恋愛は子孫を残すために起きる錯覚(ざっくり覚えてる感じ)」とか言ってたのに自分がそんな気持ちになるなんて思わなかったんでしょうね。焦ってうろたえてる姿が可愛いのなんのって…。

自分に気持ちがあるのは丸わかりだから、意地でも振り向かせてやりたい!ってなるジェヨンの気持ちも分かる。でもあそこまで否定されると私ならくじけそうだわ…。そこを耐えて追いかけて、サンウに気持ちを認めさせたジェヨン先輩強い。

サンウって本気で嘘をつけない素直な子なんですよね。相手の心を考えるとか、空気を読むとかいうことが絶望的にできないだけで。
だからこそ最後素直になった告白の言葉は、ただの「好き」なんだけどすごくすごく重みがあったような気がします。しかも可愛いし…クッソ可愛いし!!!(最後の方は”サンウ可愛い”しか出てこないw)

出典:WATCHA公式Twitter

許可制の「触れ合い」がたまらない

無理やりキスを奪うのに萌える時代はもう終わったんですよ!これからは許可制の時代です!

いきなりの壁ドンにチューも、まぁシチュ的にいい時もあるでしょう。(あるのか?)でも今回の「1分後に○○する」って、めっちゃドキドキしませんでした?私はいきなり奪われるキスの10倍前のめりになりましたとも!

頭をなでるのも、手をつなぐのも、抱きしめるのも、ちゃんと確認しながら進んでる感じがすごく良かった。
夜景バックに手を握って抱きしめるシーンは、セリフも相まって最高でした!あそこはキスがなくても鬼リピしちゃうシーンです。

出典:WATCHA公式Twitter

予告なく触れるなって言っていたサンウが、予告なくても受け入れてる姿とか、このお試し期間を受け入れようと決めた後のサンウとジェヨンの甘い感じとか、全部がとても良かった。
作業部屋を訪ねてきたときに、自然に肩を抱き寄せて頭と頬をなでるの最高すぎませんでしたか???あそこのシーンほんっとうに好きです…。

色々突っ込み集

①ジェヨン赤何枚持っとんねん問題

サンウへの嫌がらせで嫌いな赤を毎日着ていくジェヨン。バリエーション豊富すぎて、どんだけ赤持ってるんでしょうか…。私1枚くらいしか持ってないぞ。

出典:WATCHA公式Twitter

②「体験版」と「正式版」問題

お試しで付き合うのと正式に付き合うのをゲーム(アプリ?)に例えてるのが面白い。「登録したくなったか?」「今にも登録しそうだったぞ」っていう会話もおしゃれですよね~。セリフのセンスが最高。

③「あ」が可愛い問題

逃げて逃げてつかまって首根っこ引っ張られて「あ」だけ声出るの最高に可愛かった。

④というかサンウがずっと可愛い問題

先輩のこと「ヒョン」って呼び始めてからずっと可愛くない!?うろたえてるのも悩んでるのも全部可愛い。あんな笑顔見せられたらジェヨンじゃなくても心持ってかれるわ。

出典:WATCHA公式Twitter

⑤サンウ、キス好きでしょ問題

なんだかんだ言いつつ、サンウの方から奪ったキスの方が多い気がする。襟元引っ張っちゃうのがサンウらしくていいね。

ドラマに沼ったら原作へGO!

ドラマでこの二人にハマった皆様、ぜひ次は原作へいきましょう。最初はちょっとラブになるまでのモダモダがありますが、その後からはドラマで欠けてたピースが埋まっていく感じがして、読んでいてすごく楽しいです。
私はまだ途中なのですが、それでも6話くらいまでの特にジェヨンの心境がよく分かって、よりドラマが好きになりました。

原作の日本語版はまだまだ先があるので、ちょっとずつ楽しみたいと思います!

ドラマの方も韓国をはじめ、世界中で人気が出てきている感じがするので、ジェヨン役のソハムくんが戻ってきたら続編あるといいですね。キャストが変わることなく続編が作られるなら、そんな素晴らしいことはないですから。しかも2年後に本当に叶ったら…夢がふくらみますね。

公式のフォトエッセイも発売されております。日本語版出るといいな~物を買わない私でもちょっと欲しくなっている(笑)。

終わり方もこのドラマらしくてとても良かった。多幸感あふれる素敵なドラマに出会えて嬉しい!強く推してくれた我が友に感謝しております!今年まだあまり見てないけど、2022年今のところイチオシしのドラマになりました。

公式YouTubeにオマケ映像があるので、これからはそれを見つつロスを癒していきたいと思います…。


※2人の略歴、雑誌の翻訳などはトポキさんにお手伝いいただきました!ありがとうございました。

※トップ画像は「WATCHA公式Twitter」より引用させていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?