就活前の下準備

現在では多くの企業でインターンシップを実施していますね。
社会に出る前の学生に、実際の仕事を体験して貰ったり、会社案内を行ったり、またグループワークを通じて、実際の仕事をイメージしてもらう。
これがインターンシップの主な目的だと思います。

大学生の多くはこのインターンシップに参加することで、会社、社会のイメージを掴むことができるかもしれませんね。
でも、インターンシップでイメージできた!と思うのは少し危険かもしれません。
人手不足の昨今、青田買い的に、早くから学生の囲い込みに走る企業もあります。
そこへ来て、1日も早く内定をもらって楽になりたいという学生との利害の一致?で、あまり深く考えずにここ、と決めてしまうと、後からミスマッチに気づくことも。

これはとても勿体無いことだと思います。
インターンシップに参加しながらも、ここは一つ、社会勉強の意味で、迷ったり悩んだりしてみませんか?
私はよく就活中の大学生の方に、人生でこの時期だけはどんな企業にもチャレンジする機会があるんだよ、と伝えます。
もちろん今は転職の機会も増えましたので、幾つになってもチャレンジはできるかもしれない。でも、新卒の時期だからこそ、企業も大きく門を開いてくれている。そんな、人生の大切な時期に、内定が早くもらえた方が楽になる‥なんて発想で、大きなチャンスを逃してしまうのは勿体無い。私はそう思います。

古〜い話になりますが。私が就職活動をしたのは、男女雇用機会均等法が施行されるずっと前でした。
その頃、東京では4年大卒の女性もどんな企業にも就職できる時代ではありましたが、まだまだ地方では高卒もしくは短大卒の女性しか採用しないという企業がほとんどでした。

私の場合(かなり変わった家庭環境だと思うのですが)、父の考えで、大学時代は東京で過ごしてほしいという強い思いがあり、九州の田舎から子供全員を東京の大学に進学させました。
田舎育ちだからこそ東京を知るべき、という父の教育方針のおかげで、私たち4人のきょうだいは、大学時代を東京で過ごすことができました。

ところが、大学を卒業したら有無を言わさず地元へ戻れ!との命令が。
せっかく東京で、いろんな企業に挑戦できるチャンスを目の前にして、私は泣く泣く地元企業しか受験できないことになったのです。
その頃、私の地元で4年大卒女子を受け入れてくれたのは放送局だけだったと思います。
そんなわけで放送局に入社することになったのですが、この事は実は今でも心残りなのです。
もちろん、採用してもらえた上に仕事はとてもやり甲斐のあるものでしたので、文句を言える立場ではありません。
でも、やはり東京で挑戦してみたかったという思いはずっと私の中に残っているのです。

チャレンジの枠を狭めてしまうと、後から「あの時、本当はこうしたかったのになぁ」「もっと自分に合う会社があったかもしれないなぁ」と思うかもしれない。
だからこそ、現役の大学生、就活生には悔いのないよう、いろいろな仕事、企業に目を向けてほしいと、ついつい強く訴えてしまいます。

そんな話をしているうちに、就職活動が不安でしかなかった大学生の目の色が変わってきて、就活が楽しみになってきました!と言ってくれる人もたくさんいます。
せっかくのターニングポイント、ワクワクしながらやれたらいいですよね!

私が思う下準備の一つはこれなのです。
あまり自分の能力とか適性とかを決めてしまわないで、たくさんの企業に目を向けて、大いに迷って、そして絞り込んでいく。そんな時間に今を充ててほしいな、と思います。

何だかふわっとしすぎてるかもしれないし、イマドキの大学生をはじめとする若い人達は、すぐに答えを欲しがるし、回り道はしたくないし、こんな話は心に刺さらないかもしれませんね。
でも、誰か1人だけにでも届けばいいな、と思いながら書きました。

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