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税理士試験振り返り!科目選択編

はい、今週のお便りです。

法人税と事業税の関係というか、事業税のお話はまた別のnoteで書きます。そう、ただひたすらに事業税への愛を語るnoteをね。

というわけで、今回は質問の後半部分である科目選択についてお話をしていきましょう。私はこうやって選びましたよ、というお話です。

はじめに

まずは少し、税理士試験という試験の制度の話をしましょう。税理士試験は科目としては会計科目が2つ、税法科目が9つあり全部で11科目あります。そのうち、5つの合格を手にしたら税理士試験合格となります。
5つの科目は全て自由に選べるわけではなく、会計科目はいずれも合格必須。税法科目は所得税法か法人税法かはいずれかの合格が必須。残りの2つは微妙な条件はあるものの自由に選べます。
なので、税理士受験生たちは学習を進めていく上でどの税法科目にチャレンジするか選択しなければならないのです。

科目を一覧にするとこんな感じ

私の場合

私は税理士試験の勉強をしようと思った時点で自分が受験する科目を決めました。
受験すると決めた科目は会計科目の簿記論、財務諸表論に加えて、法人税法、消費税法、事業税です。そう、最初に決めた受験科目がそのまま合格科目になっています。

なんでその税法科目?

実は私の科目の選び方は消去法なんです。もともと私は将来税理士としてやっていくつもりはなく、企業のバックオフィスで働くことを目標にしていました。詳しくは過去のnoteをご参照ください。

上記の通り、将来税理士になるということがマストだったわけではなくて、将来使う知識を試験で身につけたいという思いから学習をスタートしています。
そのため、会社で使わないような個人の税法=所得税法、相続税法、住民税などや、よっぽどのことがない限りそもそも使い道のない税法=国税徴収法や酒税法なんかがまずは選択肢から外れました。

この時点で残る税法は消費税法、法人税法、固定資産税、事業税なんですよね。
その中で、消費税法人税は知識として必ず使うので受験するとして、あと1つ。最後は法人税と関連があると予備校のパンフレットで謳われていた事業税を選択しました。

科目選択の結果

まぁ事業税に関しては、予備校が言うほどリンクしてないし、個人事業税とかは突然所得税の話出てくるし。(まぁそれを言ったら消費税だって個人はでてきますけどね。)
と、まぁ想定外のことはありましたが、これらの科目を受験したことに後悔はないです。将来やりたいことから逆算して科目を選んでいるので、当たり前なのかもしれませんが。

当初の目的だった事業会社の税務担当として働いている今、使う知識はまさに法人税、消費税、事業税がメインです。
ちなみに他には租税条約とか印紙とか、あと給与云々で所得税の話もでてきますが結果的にメインで使うものは自分の受験科目です。

少し話はそれますが、完全に想定外の出来事が自分自身の独立開業です。これは受験当時考えていなかったため、明らかに個人の税金、特に所得税の知識が足りないません。これについては非常に危機感があります。
でも、まぁ仕方ないよね、税法は合格できるの3科目なんだからさ。個人の税金についてはこれから勉強していきます。がんばります。

科目選択の基準は?

科目選択について相談されることがたまにありますが、私は全員に「好きなのを選びましょう」と言っています。とはいえ税法の学習始める前に好きも嫌いもあったものではないので、きちんと言い直すと「自分がやりたいと思える税法を選びましょう」と言ったところでしょうか。

なんで好きな科目なの?

好きな科目、自分がやりたい科目っていうのはその人の勉強のモチベーションになってくれます。これは実際に税法の勉強を始める前、会計科目の学習の段階から影響があります。

私は簿財の勉強をしているとき、自習室で法人税や消費税の勉強をしている人たちが羨ましく思ったものです。今年簿財終わらせて来年は必ず税法の勉強するぞ!!そういうふうに自分を奮い立たせる良い燃料になっていました。

ちなみに、私は受験の順序は簿財から始めることを勧めています。これは税法をあとに回すことで、来年は税法やるんだ!という気持ちをモチベーションにできるから、というのが理由の1つです。(もちろんほかにも理由はありますが、それはまた別のお話)
こうやって、試験勉強しているときに1年先、2年先の目標を掲げることはモチベーション維持に非常に有効です。

量や受かりやすさで選択するのも戦略の1つでは?

この考えも否定はしません。受験者数の多い国税徴収法を選んだり、理論の少ない酒税法を選んだり。さっさと税理士になるんだ!という目標の人だと、そういう選択も合理的だと思います。

ただ、(これは100%持論なので異論は大歓迎なのですが)勉強ってのはモチベーションによりものすごく精度が変わってくるように思えます。
税理士になることだけを目標において、割り切って勉強できるなら全然ありだと思うのですが、学習の途中でなんでこんなこと勉強してるんだろ?と我に返ってしまうとそこからモチベーションが下がる可能性があります。

その点、自分が将来やりたいことで科目を選んでいるのであれば、その学習が将来自分の力になってくれることが明らかですから、モチベーションの維持は比較的しやすいはずです。

大学院免除や受験科目をかえるのは?

これらも特に否定しません。税法が2科目免除される大学院では、試験勉強では学ばないような大学院でしか学べないこともたくさんあるでしょうし。
最初から大学院の免除を考えてる人はそれこそ合理的で良いと思いますし、そうじゃなくて、なかなか税法受からないからって大学院行くのもアリだと思うんですよね。やっぱ人それぞれ得手不得手ありますから、試験が苦手って人もいると思うんですよ。苦手なものを無理してやらないでいいんだよ。

受験科目も同じ話です。どうしても相性がありますから。学習はじめてみて、しっくりこなければ変えるのもありだと思います。それが将来使う税法であったとしたら、実際に合格していなくても、学習したことにより得られている知識は十分あるでしょうし。無駄なことなんてないんだよ。

私自身どう考えてたかというと、大学院も科目変更も「今やっていることが嫌になったときに検討しよう」そう考えていました。
結局私はありがたいことに楽しい楽しいで終わったので、当初の予定から特に変更はありませんでした。
あ、嘘ついた。消費税だけは違います。消費税はそれなりに勉強した年に不合格で、2年目の勉強を始めたのですが、本当につまらくて。(消費税好きさんごめんなさいネ)結局2回目で合格できたから良いものの、全く合格する気配のなかった科目です。2回目落ちてたら科目変えてたかもしれません。今となっては答えはわかりませんが。

科目選択で大切なこと

あまり偉そうなことを言うのは好きじゃないのですが、科目選択で意識したいのは、受験科目はてめぇで決めろということです。
先生がこの科目勧めてくれたから、あの人が良いといったから、なんて学習を進めていくと色んな意見を耳にすることがあるでしょう。それでも、受験科目を決めるのは自分自身なんですよね。
正直、科目を選ぶ理由なんて何でもいいのですが、その科目を選んだのは自分なんだと自覚して、人のせいにせず、覚悟をもって学習を進めてもらうのが大切だと思います。人のせいにすると色々ブレるからね。

少し状況が違いますが私は、過去勤めていた事務所でパートナーに国税徴収法の受験を勧められたことがあります。私が勤めてた事務所って事業税が受からないっていう謎ジンクスがあったんですよね。
もちろん私は事業税が好きなので、好きなもの以外興味無いんで無理です、と返答しその年きちんと合格を勝ち取りました。パートナーとしては意図してないかもしれないですが、そのやり取りがいい感じに火を付けてくれて学習意欲が少し上がったような気がします。

まとめ

今回は科目選択について振り返りました。科目選択の振り幅の大きさは税理士試験ならではのものなので、困惑する人も多いと思います。ぜひ科目を選ぶときは、自分の感情に素直になって、自分のモチベーションが維持しやすいものはどれかな?とか考えてみてもらえると嬉しいです。おしまい!

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