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企業合併の価値は合併シナジー

合併は、2つの企業が合併した方が企業価値が高い場合にシナジー、すなわち企業価値の増加を生み出す。
合併の利益=PVab-(PVa+PVb)=ΔPVab

合併の利益は、1.規模の経済、2.垂直統合の利益、3.効率性の改善、4.補完的な資源の組み合わせ、
または5.余剰資金の投資先変更を反映したもの

合併の利益が費用を上回るのであれば、合併を進めるべきである。

企業を買収する際、第一に、買収が反トラスト法に抵触しないことを確認しなければならない。
第二に、合併手続きを選択しなければならない。
合併手続きとは、すべての資産と負債を合併するのか?または、個別の資産を購入するか?
第三に、合併の税務上の取り扱いについて検討する。

合併は、企業の経営陣と取締役のあいだで友好的に行われることが多い。
もし、売却側の企業が嫌がる場合、
1.新しい取締役を選任し、その取締役が新しい経営陣を決定する委任状獲得競争になることがある。

また、2.企業を乗っ取るテイクオーバーや、
3.非公開の投資家クループによる企業のレバレッジド・バイアウトの3つの方法がある。

合併活動は、景気の拡大や株価高騰の時期に盛んになる。
2000年代以降、水平的合併がほとんどであり、
合併は、変化、例えば技術または規制の変化に対処している産業において最も頻繁に起きる。

企業買収防衛の代表的な対抗策は、
ポイズン・ピル、クラウン・ジュウェル、ゴールデン・パラシュート、ホワイト・ナイト、マネジメント・バイ・アウトがある。
ポイズン・ピルとは、既存の株主に対して新株予約権を発行し、買収者の議決権割合を下げることができる。
クラウン・ジュウェルとは、敵対的買収者が最も欲しがっている資産や事業を売却することで、買収意欲をそぐ手法。
ゴールデン、パラシュートとは、巨額の退職金が取締役に支払われるという委任契約を被買収企業の取締役があらかじめ締結しておくもの。
ホワイト・ナイトとは、被買収企業の経営陣と合意のうえで、友好的に買収または合併を行う会社を見つけること。
マネジメント・バイアウトとは、経営陣が自社の株式を取得して、非公開企業としてしまうこと。