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【演劇×仕事】一番の肝

みなさんこんにちは。

前回の記事を読んでくださった方、いいねしてくださった方、ありがとうございました。こうやって文章を発信することは初めてなので、読んでいただけたことに非常に感動しました。

前回からかなり間が空きましたが、今回は仕事に生きる演劇の一番の肝について触れていきたいと思います。

それは、「驚かし合いを楽しむ」ことです。

ちょうど昨日、娘(3歳)を連れて稽古できないかな、演劇やりたいなと思っていたら、高校の文化祭の演劇部の公演で黒澤明の「七人の侍」をやる夢を見ました。さてどうやってやるのか・・・

・馬のないアクションシーンをどうするか

・1時間にどうおさめるか

・農民は客席にも出没させたい

わくわくします。いま高校生に戻れるならぜひやりたいです。仲間からは「無理じゃね?」「古くない?」「うち女子校なんですが」一蹴されるでしょう。では「それならやるか!」にどう持っていくか。

お客さんからは「どうせ映画のなぞりだろ」「芝居でやるのは無理なんじゃないの?」と意地悪な第一印象を抱かれると思います。芝居の独自性をいかしつつそれをどう裏切るか。こんな感じで、仲間やお客さん、もちろん自分もわくわくする企画を妄想します。

また、役者もしかりです。セリフを覚えて段取りどおりに動くだけではなく、セリフの応酬をする相手の気持ちを動かす仕掛けを考えるのが面白いと思います。ここのところは、ドラマを進行することとは別です。そこに脚本上の役が生きた人間として立ち上がってくるように思われるためには、舞台の上で起こっていることに、生身の人間として反応していることが求められます。些細なことだと、例えばいつものセリフを踏み込んで眼前で言ってみると「えっ近いんですけど」と相手の気持ちが揺れます。そういうことを地道にやる。すごい目を見るとか、カラッポのガラス玉の目で相手のセリフをうけ流すとか、すぐセリフを返さないとか、そういう小技で一生懸命気持ちを揺さぶってなんとかリアルを保とうとします。そういうことをしながら、芝居を決めていきます。またそのパターン?それ君が得意なの知ってる、飽きた!もっと面白いことしてくれないと!という役者同士のシビアななりとり・・・。やり方は100万通りあると思いますが、その座組における唯一の正解=役に求められる反応を探っていくことが醍醐味です。

こんな感じで、仕事で自分も周囲も得意先も上司も「おっ!」と思わせる計画を立てるという部分を芝居で鍛えることができると思います。例えば1年のプロジェクトを1か月で成果出すとかちょっと「それ無理じゃない?」、でも「できたら面白い」というラインがどこなのか自分で設定することです。それが相手の反応として「いいね」なのか「無理」「つまらん」なのか見極めるのを稽古場で随分やったなと思います。

面白いか面白くないか。絶望的につまらなかったらどうやったら少しでも自分のやる気が出るのか?こういうアイディアはどうか?演劇ではそのフィードバック(採用か却下か)がすぐ帰ってくるので感覚を養う良い勉強になります。そういう見極めは仕事で大いに役立つと思います。

あ、「つまらん」と言われてもへこたれないハートも必要です。

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