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会津 叔父さんの健康のもとは「うんめ~もの食わない」

そもそも会津に行った目的は、脳梗塞で入院、療養を続けている従姉妹
を見舞うためと、亡き父の実弟(92歳)に会うためだった。

叔父は喜多方からさらに磐越西線で新潟に向かう途中の山村に住んでいる。
以下、叔父宅に着いて叔父と従姉妹との会話。

従姉妹「おんちゃ~ん」と玄関を開ける。

92歳

という高齢だからすぐには出てこないだろうと思っていたら、
叔父「おお・・・だんじゃあ」障子が開いてすぐに出てきた。
従姉妹はちょこちょこ顔を出しているので叔父は周知している。
従姉妹「珍しい人連れてきたよ」
叔父「・・・だんじゃあ」

だんじゃあは会津で「誰だ?」という意味。
ワタシの顔をしげしげと見つめる。
「・・・あ、スローの・・・」
うん。ワタシの父は四男坊の「シロー」だけど・・・と心のなかで突っ込みを入れた。
久しぶりに会った姪のワタシを見て、叔父の顔に、照れたような笑みが浮かんだ。
そうだ、昔からシャイで、物静かな人だった。
「スロー」の娘がいきなりやってきたものだからビックリポンだったろうと思う。
部屋に入ると炬燵があり、卓上には蒸かしたサツマイモが皿に載っていた。
午後のひととき、蒸かし芋をほお張りながらテレビを見ていたと思われる。

叔父は10年前に連れ添った妻を亡くし、6人いた兄姉も逝き、今は未婚の息子と2人暮らしだ。
息子の洗濯もして干して畳んで、それなりにご飯も作って、ゲートボールを仲間と楽しみ、それ以外は、畑をいじっているという。
健全な超高齢者だった。
従姉妹「おんちゃん、芋、自分で蒸かしたの」
叔父「んだ。誰もいねえもの」
従姉妹「おんちゃん、何食べてんだよ~いつも」
叔父「ん・・・大したもん、食ってねえよ」
従姉妹「店もねえもんな~」
叔父「んでも、シェブンがたまあに売りに来るだよ~」

ん、シェブンが売りに来る?よく聞いてみるとセブンイレブンが車で移動販売に来るそうだ。
従姉妹「そりゃ、いいね。さかなや、にぐ(肉)も食わねばなんねえよ」
叔父「旨えもんは食わねえなあ」
従姉妹「たまには旨えもん食いなよ」
叔父「旨えもん食わねえから、こうして丈夫でいられるだよ」
二人のコントのようなやり取りはしばらく続いた。

元気でおられてよかった。
ゲートボールをする仲間がいて、鍬を片手に畑を耕し、夜には野菜を茹でて、好きなお酒をちょっぴり呑んで・・・。

こういうことが、人としての原点なんだろう・・・な。


11月に入ったというのに記録的な暑さだとか。

卵を産む場所を捜してか姿を見せた。


タイトルの写真は、大沼郡昭和村喰丸小学校(今は廃校)
今は、校庭の銀杏の木が金色に輝いていると思います。






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