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旬の食材の楽しみに思うこと

筍腐汁

今年はタケノコが豊作で、あちこちからたくさんいただいた。
タケノコご飯、若竹煮、味噌煮、味噌汁の具、などなど。
いろいろ調理していただいた。

タケノコを使った汁と言えば母が作ってくれたじゅんぷ汁。
じゅんぷ汁の「じゅんぷ」は筍と豆腐の腐で筍腐汁。
タケノコと豆腐をごま油で炒めた中に出汁を加え、我が家では山で採れたウドが入っていた。味噌仕立て。
タケノコのシャキシャキ感と豆腐のやさしさ、それにウドの強い香りがマッチして素朴だがとても美味しい。
転勤族だった親の時代の郷土料理だが、今でも栃木県の郷土料理だと聞く。

毎日タケノコが食卓に出てくると、娘は「もうタケノコいらないから」なんてのたまう。
でもこの季節にしかない貴重な生タケノコ。
食べきれないときは、鰹節でとっただし汁と薄めに切ったタケノコをジップロックに入れて冷凍して保存する。
そうすると、タケノコが出汁を吸って筍のうま味が逃げないように思う。
ほんの一瞬のタケノコの季節。
味わって行きたい。

わらび採り


わらび採りに行くときは桜の開花の様子をみていくのだが、今年は桜の開花が足踏みしたので、いつもの年より遅かった。
ツレと1回。友人と1回。娘と1回山歩きをした。

母の言葉
「山からいただいて来たものは早く始末しないとね。放っておくと山に帰ってしまうからね」
ええっ。
当時は何のことかよくわからなかったが、山菜は「足が早い」と言いたかったのだ。


帰るとすぐにごみを払って頭の胞子のところをとって、
大鍋に広げ、重曹を振り、熱湯をかける。
翌朝になったらきれいに洗って調理に使う。

ショウガと和えて醤油を一たらしもよい。
にんにくを効かせたナムル風。
炊き込みご飯に味噌汁。
煮もの。
にんにくとベーコン、わらび入りスパゲッティペペロンチーノ風は娘の好物。

たくさん採れた時は友達におすそ分けして、それでも余ったらぜんまいのように数日間天日干しにして保存する。
天日干しにしたものはジップで保存→思い出した時に昼夜水で戻して調理する。

ぜんまい

ぜんまいは父の仕事の関係で奥会津に住んでいた頃に覚えた。
雪が融けて、草が芽吹き、桜の季節が終わる頃になるとぜんまい採りの季節が来る。
これと言った娯楽のない寒村。
山菜取りは収益を兼ねたレクリエーションでもあった。

中学校に入ると「ぜんまい採り」休日があって、学校は休校になり、それぞれ自分の部落の仲間とぜんまい採りに行く。
要領の良い小回りの利く子供も、どんくさい子供も皆頑張って収穫する。
そして・・・
もち帰ったぜんまいは、家族が面倒を見て干してくれる。

そして・・・
数日後、学校へ持っていく→重さをはかる。
干して100gとか決まりがあったのだろうか。その辺りは定かではないのだが、干したぜんまいは中学校でお金に換えて教材の足しにするのだとか。

何せ、日本が高度成長期にやっと入った辺り。
先生も子供もよく頑張った。恥ずかしいくらい健気だ。

そういえばまた思い出したことがある。
同じ奥会津の村にいた小学生の時。
秋になると、小学校の校庭にある大イチョウの木から落ちるぎんなん拾いをした。
軍手をして、ブリキのバケツに集めていく。
これも教材を買う資金になると先生がおっしゃっていた。

最近、昔ばなしばかりしている自分がいる。
春は山菜。夏は川遊び。秋はキノコ採り。
あ~あ。歳を重ねたものだ。

たけのこもわらびもぜんまいの季節も終わった。
さて。この次は。













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