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壱岐の島メロン 50年来の友から

あさイチの宅急便で届いたもの。長崎県壱岐の島メロン。

高校を卒業して上京し、一緒に数年間を過ごした女友だち。
毎年、互いに欠かすことなく年賀状の交換を続けていた。
自分たちの日々や子供の成長も付け加えた。

しかし、彼女が長崎の故郷に帰ってから会うことがなかった。
50年の歳月

ツレが荷物を受け取り、抱えてきた。
義姉さんのところから、野菜が送られてきたと思った。
以前、メロンの大箱にジャガイモが送られてきたことがあった。
その時は「わ・・・メロン?」と一喜したのだが。

長崎県てかいてあるよ・・・ツレ。
ん・・・?
送品主を見てびっくり・・・そのあと懐かしさ・・・そして。


送られてきたメロン。

ドキドキしながら電話をした。

○○ちゃんが出た。
50年ぶりに聞く彼女の声。

思えば、彼女に最後に会ったのは、私が一子を出産したあとだった。
赤ちゃんの可愛い衣類を用意して、公団住宅の住まいに来て、お祝いしてくれた。
そのあと、彼女は故郷に帰ったのでそれが最後だった。
若い頃は、簡単にまたいつか会えると信じていたが、会うことなく50年近く経ってしまった。

あのね、私、あなたにたくさんお世話になったのに、お礼が出来てなかったんじゃないかって。近頃思って。
あなたの実家に遊びに行ってね。お母さんがいろんなお料理作ってくださっておもてなししてくれてね。大皿にたくさん出してくれて。
何日もお世話になって遊ばせてもらったんだよ。

私、何かおみやげ持って行ったんだろうか。なんせ若かったからさ。
次の日はお父さんが、東照宮や二荒山神社に案内してくれて。
東照宮への道を歩いて行ったんだよ。
おうちの近くには川が流れ
当時、父の仕事の関係で、日光に実家があった頃のこと。
川もあったね。

そんなこともあったね。
でも、お世話になっただなんて。
私もたくさんあなたに助けられたよ。
穏やかで、ブレないあなたはいつも私の近くにいて相談相手をしてくれた。
結婚式にも来てくれた。
お祝いにいただいた籐かご付きのお皿は、今でも大切にしているよ。

寮の仲間と白樺湖から車山に行ったね。
早朝ボーリング、出来立てのマックにも行った。

そうそう、丹沢にも行ったね。
誰かが帰りの電車で乗り遅れて、隣の駅で待ったよね。
マックでは私はフィレオフィッシュが好きだった。
それは今も変わらない。

お礼といろんな気持ちこめて送りました
歳を重ねたよね。
膝が痛くて早く歩けん。
あなたはどう?
元気でいようや。
いつか会えたらいいね。

確か彼女も7月生まれで、もうすぐ73歳。
50年の互いの空白は埋まった。

メロンはまだ硬いけん。3.4日様子をみていい匂いがしたら食べてみて。

壱岐のメロン。

地元ではマスクメロンより美味しいと言われているとのこと。
父母の仏壇に供えて熟するのを待とう。

もう一度でいいから、会いたい。
50数年前の出会いに、ありがとう。








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