道は、たまに混んでいて 白瀬咲耶GRAD編

こんにちは、Akkieです。今回は白瀬咲耶GRAD編シナリオの感想について
書きたいと思います。咲耶GRAD編未プレイの方は一度プロデュースした後で読んでいただいたほうがいいかなと思います。その他ネタバレはありません。

 

 まずはあまり覚えてないという方向けにおさらいしたいと思います。このシナリオはモデルからアイドルになって”白瀬咲耶の見せ方”が変わってしまったことに関する悩みを、GRADに挑戦しながら解決していくというものです。モデルの頃の咲耶は王子様キャラで浸透していましたが、アイドルになってからは感情を豊かに表現するようになり可愛さや面白さといった一面も見せるようになりました。「モデルだった頃のファンを裏切り、捨ててしまったのではないか。」という悩みに立ち向かう姿が描かれたのがこのシナリオです。

 これを読んで面白いと思ったところは2つあって、1つ目がまず”道”という考え方と作中での演出です。咲耶はシナリオで次のように言っていました。

『…道は、続いてると思っていた』

『例えば大きく環境が変わることがあったとしても、それまでの私と、それからの私は変わることなどなくて――』
『私が今の私なのは、これまでの生の積み重ねだから何かがどこかでぶつん、と途切れるだなんで、思っても…』
(白瀬咲耶共通コミュGRAD編 過去は、今にならない? より引用)

この考え方とGRAD編を通して咲耶が言っている、「私たちはみんなその時点の最良を選択して今にいる」という考え方はどちらも共感できるものでした。そしてその上で、”私”が変わってしまったという本題はモデル⇔アイドルという仕事をしている咲耶だからこその悩みなのかもしれないって最初は思ったんです。どちらも不特定多数の人間に向けて、見せたい自分の性質をアピールする職業ですから。だけどそうではなくて、人間は皆様々な共同体に属している以上、別の共同体に移動するっていうことは良くも悪くもリセットされるということで誰しも感じえる悩みなんだなって気づかされました。

 2つ目に印象に残っているのが、コミュ「過去/現在⇒未来」の1シーン。
分岐の直前部分から。

『だけど……
私は何をすべきか、わからなくなった』
『何をすれば、誰も悲しませないのか
全ての人を喜ばせることが出来るのか―――』

白瀬咲耶GRAD資料1

この分岐、皆さんはどれを選びましたか?私は「咲耶にしかできないことを」の選択肢が好きです。この選択肢では、Pは結局その内容については咲耶に答えを委ねています。結局作中では明示されていないのですが、私は「咲耶にしかできないこと」に対するPの答えは”ありのままの咲耶でいること”だといいなと思います。アンティーカと、Pと一緒に何気ない日々を過ごしながら、アイドルとして成長している今の咲耶の行動原理を変える必要はないって伝えたい。
 そして「咲耶にしかできないこと」の咲耶の答えはその後のGRADコミュで明かされていると思います。

『……戻ることは、できないんだ』

え?(P)
『……私はもう、あの頃の私に戻れない』
『私はもうアイドルを、アンティーカを、アナタを、
知ってしまったから』

――『モデルの頃の咲耶様に、戻ってほしいです』(想起)
『だから私は――…
もう戻ることはできない』
(白瀬咲耶共通コミュGRAD編 かつての私が望んだ先を歩く より引用)

白瀬咲耶GRAD資料2


ここでの「アナタ」は当然Pですが、もっと言うとモデルとして王子様を演じていた咲耶を街頭でアイドルにスカウトしてくれた、つまり自分をアイドルの世界に連れてきてくれたPのことです。
 咲耶の答えはコミュタイトルからも窺えるように、”常に自分は最良の選択をしているという考えのもとでそれを裏切らないこと”と言えるでしょうか。他人に映る姿が変わろうと、それによって人間関係が途切れようと、白瀬咲耶の歩んできた道自体が途切れることはないから過去の自分を裏切らないというのはとても大事でカッコいいことだと思いました。
 一方で、自己満足だとわかりながらもアイドルとしてどんなファンの需要にも応えようとするのが咲耶らしいですよね。最後のコミュ「ラブレター・ディア」でも手紙の女の子を諦めきれていない様子が描かれていました。
 
そして引用セリフの後にPが咲耶にアドバイスを送っているシーンがありましたね。

白瀬咲耶GRAD資料3

雛菜みたいなことを言っていますがPは雛菜ではありません。Pはあくまで自分の答えを告げずに咲耶の意思に寄り添いましたね。

最後のコミュ「ラブレター・ディア」ではどんな仕事でも受けて、沢山のファンの期待に応えたいと願う咲耶の様子が描かかれていましたが、”道”という話についても回収されていました。前のコミュで渋滞に手をこまねく2人を描いた後で、脇道という解決策を思いつく2人という対比がまず1つ。そして咲耶のセリフが印象的でした。

『……道は一つではないんだ
色んな道を進むのも、また楽しいよ』
『どんな道を選んでも……
きっと最後は望む場所に、たどりつける』
『私の選択は、きっと最良だよ』
    (白瀬咲耶GRAD編共通コミュ ラブレター・ディア より引用)
最後はすっかりいつもの咲耶でしたね。


 今回はこの辺でおしまいです。このシナリオ良い!!と思って書こうと思ったのですが人に伝える文章って書くの難しいですね。内容は濃くないはずなのに本文で2000字、、、(2000字が多いのか少ないのかもちょっとわかってませんが)。Twitterでもコメント(?)でも感想など教えていただけると文章の改善等に役立ちます。よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?