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僕にとっての先導者
2021年3月。
新型コロナウイルスの感染者が全国的に出始めた頃。
僕はその日、友人2人と遊んでいた。
とあるカフェに向かう。入ってみると中は満席。座れそうもない。仕方なく店を出る。
どこに行こうか? なんて話しながら近くのコインパーキングに戻ろうとした。その時、隣のお店が目に付いた。
少し落ち着いた雰囲気のあるカフェの横に立っていたのは、アジアンテイストを感じさせるピンク色の窓が特徴的な建物だった。
友達を呼び止め、中に入ってみる。
「こんにちは〜」店員さんから挨拶された。
見てみると金髪でミディアムヘアの女性だった。
空いてる席に座る。そのお店はカウンター席しかなかった。カウンター越しに店員さんからメニューの説明を聞く。
1ヶ月限定でスパイスカレーを出しているらしい。
お腹が空いていたので3人ともカレーを頼んだ。
どんなカレーが出てきたのか全然記憶にないんだけど、とにかく「辛くなくて美味しいカレーのお店だ!!」と
友人とはしゃいだ記憶はある。笑
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カレーを食べ終えたのち、僕たちは店員さんとお話していた。聞けばその人は同い年だった。会社員だったが、少し前にカフェをやるために会社を辞めていた。
カフェをやりたいと思った経緯とか色々聞いたりするうちに、最終的に話の内容が「会社を辞めてコーヒー屋をやりたいけど退職する勇気がない」っていう僕の悩み相談に変わった。
当時の僕は今ほどコーヒーに対して熱量があったわけでもない。仕事を辞めてまでコーヒーに関わりたいと思っていなかった。でも心のどこかで本当はコーヒーを仕事にしたいと思っていたみたい。その気持ちに気づいていなかっただけなのかもしれない。
だから「退職する勇気がない」と相談していたのかも。
彼女の答えは辞めちゃえばいいじゃん!だった。
すごいあっけらかんとしていた。
今となってはそりゃそうだよね。って感じなんだけど、
当時の僕にとっては軽い衝撃だった。
会社を辞めたことないからね。
そんな自分勝手に辞めていいんだって思った。笑
カレー屋さんの常連に
1ヶ月限定の間借りカフェには、その後1回か2回行った気がする。
純粋にカレーが美味しかったのもあるし、スパイスカレーという普段食べ慣れてるルーのカレーとはまた違う幅の広い食べ物に興味が湧いたのもある。それから、彼女の活動が僕にとっては初めて触れるものばかりで刺激的だったこともあるかな。
お店はというと1ヶ月の間借りカフェ終了後、その場所から徒歩数分のところにあるゲストハウスに移って営業していた。
このゲストハウスがまた面白い場所で、宿泊客はもちろん、その他にも色んな人との出会いがある空間だった。
建物は古民家でとても雰囲気がよくて実家のようにのんびりしてしまう空間なんだけど、そこに来る人たちは個性豊かで面白い人達ばかりだった。
ここで出会って今でも親交がある人が沢山いるけど、皆それぞれに素敵な人達なのだ。
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ちょっと話が脱線したので軌道修正。
僕は気づいたらお店の常連になっていて、まあまあの頻度でカレーを食べていたと思う。
何度もお店に行く中で彼女と色々な話をした。
お互いに自分がこれから何をしたいのかとか、その日何があったっていうような他愛もない話とか。
会社を続けるか、辞めるかの相談もたくさんした。
その都度、僕にはない考え方で意見をくれてなるほどなって思わせてくれた。
夏頃からは一緒にイベントやろう!って何回も誘ってくれた。
当時の僕にはイベントをやり遂げるだけの強い意志がまだなかった。
だから、しばらくはずっと断っていた。
ずっと断り続つづけていたんだけど、ある日「今ならイベント出来るかも!」って思った日があった。で、その日にカレー食べに行ったらイベントをやろうって話をまた振られた。出来るかもって思ってた時だったから承諾した。
そして、人生初の出店をすることになるんだけど、その話はまた今度。
きっと出会うべくして出会っている
今にして思い返せば僕にとっては彼女との出会いは大きかった。
そのうち書くと思うけど、「自分でお店をやる」という考えに導いてくれた人が彼女である。
(こんなことを書くと当の本人はそんなことないよって言うかもしれないけどね)
もしあのタイミングで出会っていなければ今でもまだ会社員を続けていたかもしれない。
彼女との関係性について言えば、今はずっと話し続けられるくらい仲がいい。お互い近況報告したり、情報交換をしたり、刺激をもらっていたりもする。
友人であり、ライバルであり、お仕事の依頼をする間柄みたいなコンプレックスな関係だと感じている。
人との出会いって「運」よりも「縁」によるところが大きいと僕は思う。
彼女に限らず、縁のある人には遅かれ早かれ出会うし、似た考えの人とは仲良くなる。
だからこそ、その「縁」を大切にして行けたら良いよね。
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