🍎 Apple Mac 爺の論理的なMacBook修理

2023年4月11日 19:50

起動しないMacBookの中古品を、ヤフオクで格安で手に入れたは良いけれど、回路図が見つからない、部品に何ボルトの電圧が掛かっているか、それが正常電圧かも分かずに四苦八苦。

序章

YouTubeやブラウザで調べても、日本語での情報は、基板の温度をサーモセンサーで確認して、発熱している部品を交換する。拡大鏡でパンクしているコンデンサを見つけて交換する的な対処療法しか見つかりませんでした。

そんな時YouTube liveで、中国の回路図情報のサブスクライセンスを、日本独占で代理店してますというの知り、急いで入手しました。

そうこうしているうちに、YouTubeのおすすめに海外の修理動画が流れ出すようになってきた。
そこでは、現象から回路図を見て、そこに出ているはずの電圧を確認するという、論理的思考での修理が行われていた。
それらは主に、中国、インド、北米、欧州地域のチャンネルで日本のものは皆無。
それらの情報から、色々なサイトを見つけ、文字や図解ベースの沢山の情報を得る事が出来ました。

最近はYouTubeやブラウザも翻訳機能はありますが、日本語で理解できる資料が欲しいなと思い、noteに記録して、日本からもきちんとした情報の発信が出来ればと思います。

第１章

以下のサイトから回路図のPDFがダウンロード可能です。翻訳機能のあるブラウザで見ることで、必要な機種のものが見つかるでしょう。

回路図を見つけよう

https://www.alisaler.com/category/apple-laptop-schematics/

実際には基板の回路図で部品番号が分かっても、基板のどの部分かを調べるのには配置図も必要となります。
その際は有料となりますが、以下のサイトからダウンロードしてください。
回路図と部品図の連携が取れており、必須ものです。
何社かのサイトがありますので、比較して使い易いものを選んでください。

以下はこれを使用しています。

https://flashfiletool.com/xinzhizao-schematic/

https://www.refoxteam.com/bitmap

私が使用しているXinzhizaoの回路図

REFOXのもの

第２章

先ずはUSBCコネクタからの出力電圧の説明から始めます

MacBookのUSBC充電器からは私が掴んでる範囲で、5Ⅴ、15V、20Vが出力されます。
iPhoneを繋ぐと5V、iPadを繋ぐと15V、MacBookを繋ぐと5、15、20Vと順番に出力されます。

以下はUSBCが採用され始めた、MacBook Pro13 A1708の回路図から説明します。

USBCコネクタが接続されている、ロジックボードのJ3300から流れてくる回路に5Vが発生します。それがUPCを起動して、このラインに充電器に対して規定されているパルスを返します。充電器がそれを検知すると、次が15Vを発生して、再度パルスを発生させ、最終的に20Vとなります。
するとUPCはQ3200のMOSFETのゲートを開いて、ロジックボードの各部へ20Vの供給を始めます。
これから先はPMUというLSIが各種パワレールと呼ばれている、各種電圧の出力をコントロールします。(PMU: パワーマネジメントユニット)

代表的な電圧は以下の通りです。

アルファベットの部分は回路図に表記されています。
パワーレールとは比較的に電力の大きなものです。ロジックボードを見た時に比較的に大型の電解コンデンサーが並んでいる部分がこのラインになります。
CPU、SSD、DRAM、大型のLSI、スピーカー、バックライト、LCD等に電力を供給しています。

PP1V8_S3 パワーレール電圧は1.8V
PP1V2_S3 パワーレール電圧は1.2V
VBUSパワーレールの電圧は5Vです
PP1V05_S0 パワーレールの電圧は1.05Vです
PP1V5_S0 パワーレール電圧は1.5V
PM_SLP_S3_BUF_L制御信号電圧は3.3Vです
ALL_SYS_PWRGD制御信号電圧は3.3Vです
SMC_DELAYED_PWRGD制御信号電圧は3.3Vです
PM_PCH_PWROK制御信号電圧は3.3Vです
PCH_PWROK制御信号電圧は3.3Vです
CPU_VCCST_PWRGD制御信号電圧は1.05Vです
PM_PCH_SYS_PWROK制御信号電圧は3.3Vです
PLT_RESET_L制御信号電圧は1.05Vです

第3章

電源やバッテリーが接続されるとPMUが周辺のLSIとやり取りしながら、順番に各種電圧のコントロールを始めます。
OSが起動し始める迄には約100種類の信号が順番に立ち上がります。
起動しないロジックボードはこれらの信号がどこまで出力されているかを突き止めると、必然的にどのブロックで故障が起きているかを掴むことができます。

電源が入ると発生するパワーオンシーケンス

電源ボタンを押してからのシーケンス

ここ迄は電源ケーブルが接続されている、バッテリーに規定の電圧がある時は準備が出来ています。
デスクトップMacの場合もACケーブルが接続されている時にはパワーボタンを押すことで54番のシーケンスから始まります。

それでは次の記事で実際にロジックボードと回路図を照らし合わせながら、故障探求を行なって行きましょう！

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