例の夢を,ショートショートにしてみた①②

カーラジオから流れるスジャータのCMを聞いて,彼は約束の時刻になったことに気がついた。

ぼんやりと考えていたのは,夕ごはんのこと,そして彼女のこと。

なんとはなしに一緒にごはんを食べることになって,今から買い出し。待ち合わせは19時。

「西多賀生協は今日も盛況…」とくだらないダジャレを言いながら彼は車から外に飛び出した。

「待った?」「待ってない,今来たところ」

よく考えると,このごあいさつって「山」「川」くらいの意味しかないと思うのだけれど,まあうれしいものである。「お待たせして,ごめんなさい。」「そんなの気にしなくていいんだから,来てくれてありがとね。」という2行にわたる挨拶だった頃から考えればたいした進歩だ。

自動ドアがあき店内へ。

カートじゃなくてかごを持つのはいつもの習慣。


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