短編小説【殺人鬼】


-午前9時頃○○県△△市□□区に
右目だけがくり抜かれた死体が見つかりました。警察の調べによると死亡推定時刻は午前2時頃だと判明しました。人気の無いトンネルでの犯行でした。犯人は今も見つかっておらず、警察側も全身全霊をかけて見つけ出すとのことです。-



あぁ...素晴らしい...自分のやった事が
世間に知れ渡った...でも僕を捕まえるのは無理だよ...


だって僕は天才だからね...



さぁ今日はどんな"目"が取れるかな...


昨日は2時だったから今日は3時くらいにいこう...



予定通り、午前3時頃になると男は動き出した。


マスクを付けて手には包丁を持っていた。



あ...いたいた...綺麗な目の子が...


男はにやりと笑うと前からくる女に声をかけた。


「すいません...少しいいですか...」



「な、なんですか。」



あのニュースを見たのか
時間帯もあって女は警戒していた。



男はその反応を見て感情が高鳴った。
だが、それを表には出さない



「この辺りに...深夜までやってる...病院があると聞いて...探しているのですが...知りませんか...」



「あぁ、○○病院の事ですね
それならここをまっすぐ言って大通りを右に曲がった所にありますよ」



女は警戒を解き丁寧に道を教えた。



「ありがとうございます...
あの...良かったら...道案内...して頂けないでしょうか...」



女は流石に断った。
だが男の横を通り過ぎた瞬間腕をつかまれ
物凄い力で引っ張られた。


「きゃっ!!」



「はぁ...はぁ...やっと近くまで来てくれたね...さぁ...顔を見せてくれ..."目"を見せてくれ...」



「...っ...!」


女は恐怖で声が出なかった。


「ぁぁ...美しい...はやく僕に...その"目"を...くれ...はぁ...はぁ...」



女の子目の前に包丁が来た瞬間


「おい!何やってんだ!やめろ!」



突然、誰かが男を殴った。
女は逃げた。トイレに逃げ込み鍵をしめた



「お前殺す」


男は殴りかかってきた男を蹴り飛ばし
包丁で首を切った。


「カッ!?ハッ...ハッ...ヒュ...ヒ...ハ...」


首を切られた男は呼吸ができなくなり
やがて動かなくなった。



男はゆっくりゆっくりとトイレに千和近づいていった。


ガンガンガン


強くトイレをノックした


女はそれに気づくと恐怖で泣き出した。


「おい...おい...おい..おい.おいおいおい


おいおいおいおいおいおいおいおいおい


おいおいおいおいおいおいおいおいおい


おいおいおいおいおいおいおいおいおい


おいおいおいおいおいおいおいおいおい


おいおいおいおいおいおいおいおいおい


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


あけろあけろあけろあけろあけろあけろ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ


アケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ!!!!!」



次第にノックは強く早くなって声も恐ろしく奇声のようになっていった。



それは止むことなく1時間くらい続いた


ふと...音がやんだ女はまだ恐怖で怯えていた。


「...も...う消えた?......もうやだ...
どうして私がこんな目に...」


女は訳が分からなかった


もうこのままここにいようそうも思っていた。


女が落ち着きを取り戻していると


ガンッ!!!!!!!


トイレのドアからボロボロになった包丁が
刺さってきた



女はそこで気絶してしまった。



「くそ...クソッ..."目"、"目"が欲しい...」


女の目を取り逃した男は夜道をただふらふらと歩き続けた。



するとカーブミラーを見つけた。


「あ...あった...綺麗な"目"...ハハハハハ」


ー午前7時頃、通勤中の男性から
右目がくり抜かれている死体があると通報
がありました。自身の手には包丁があり
調べたところ今までの犯行はこの男であることが判明しました。何故、自身の目をくり抜いたのか、それは定かではありませんまた犯人が死亡した今、再び皆様が安心して生活できることを心からお祈り致します。ー