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天空で睦ぶ親子

山に登ることは私にとって特別なもの。
へとへとで着いた山小屋の食事、夜中の風の音、
翌朝の雲海、、、
たとえ同じ山でも、同じ風景は二度と見られない。
そこにいる植物や動物もそうだ。

船窪岳は、北アルプス、富山と長野の境にある。
標高2400mの縦走路は天空の散歩道だ。

散歩をしているのは私たちばかりではない。
2日目の朝、ライチョウの親子に出会った。
狭い山道を、4羽、5羽とトコトコ連なって歩く。その後に私たち。

気付くと小さいのが1羽いない。
お母さんがハイマツの茂みに入り、子供を呼んで
首を上げて鳴き始める。
他の子供たちはお母さんの周りで軽快に足踏み。
私たちが近くにいても気にせず、楽しそうな様子。
雨上がりに睦ぶライチョウの親子の出現は、
雲の間から差し込んだ日の光と同じくらい
登山者に元気をくれる。

さあ、私たちも、家族のいるところへ降りて帰ろう。


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