見出し画像

ゴーストトリック感想


present.by.CAPCOM

クリアしました。
一気にせずまったり気が付いたらちょくちょく進めていた感じです。
それでもクリアまで10時間~12時間程でした。
本編の時間の流れとほぼ同じだったプレイヤーは結構居るんじゃないでしょうか。

ゲームとしての面白さ

一言でいえば『作ってみようピタゴラスイッチ』ですね。
主人公シセルは死者で幽霊ですので、その死者の力を使って物に取り付いて動かしたり、ライトなど機械類ならON/OFFを入れたりして、死んでしまう人達の運命を変えていきます。
リアルタイムで進行しているので急がなければならないポイントもありますが、逆に少し進行させることで運命を変える糸口が見えたりもします。
謎解きゲームというよりパズルゲーム。
色んな視点というか視野が広い人なら割と簡単じゃないでしょうか。逆に物事に対して一点に凝り固まる癖があったりすると、なかなか解けません。
(※分かる人にだけ分かる話、私の場合は法務大臣のターンにてこのドツボに嵌りました。トロフィー【ナニカセズニハイラレナイ】も意図せずここで取ってしまう程に)
攻略サイトに頼りたくなかった私は、他の人のプレイ動画を眺めていて、さてこの人はあっさり解けてしまうのかしら……と、そうか、ここでこうすれば進行するのか。とノープレイでの鑑賞者視点でハッと気付いたら即自分のソフトを起動して見事クリアしました。
いやだってストーリーは自力で見たいんだもん。

ストーリーの面白さ

このゲームのストーリーは一言でいえばノンストップSFアクションミステリーです。属性多すぎだけど事実だから仕方ない。
そもそも死者が別の死者を助ける為に時間をそのヒトの死の四分だけ遡ったりする時点でなんじゃそりゃ!とんでもないチートじゃん!って内容ですからね。
しかも助けた側の人は自分が死んでいたこと、主人公に助けられたことを覚えていますし、運命が変わった後も主人公と脳内会議出来ちゃいます。この設定はとても面白くて、ホラー感が一気に薄れるし、主人公のやったことがちゃんと報われている感じが出て凄く良いんですよね。

この物語で最も大切なことは主人公シセルの正体を知ることです。何故彼は殺されたのか、シセルの死者の力は一体何なのか、この一夜限りで自分の記憶を取り戻せるのか。その終盤から顛末まで、きっと間違いなく誰にも予想出来ないシナリオが一気に襲い掛かってきます。

タクシューもとい巧舟は天才だ。

私は逆転裁判シリーズは一通りやっておりまして。
けどゴーストトリックという作品のことは名前だけ知ってても何故か手に入れずに時がたってしまいました。
あんまり宣伝に力入れなかったのか製造しなかったのかその両方か、気が付けば総評は『隠れすぎた名作』。
もうiosのアプリゲーム版落としてやっちゃいましょうかねぇ?とこの作品の話題が出る度にぼんやり思っていた矢先に、switchにて発売されました。
(※どうでもいいことだけど、switch/PS4/XBOXONE/steamらリマスター用の販売日って私の誕生日だったんです)

一切のネタバレ無しでやってよかった。
もしやってても記憶なしでこのゲームを体感すべきです。

死に遭い、死に追われ、死の運命に抗い続け、最後に本当に望むべき未来を掴む為の物語。


公式の八周年記念絵ですってよ。

てな感じでシリアスに言いましたがゴーストトリックの人達はみんなコミカルです。特にヒロインのリンネさん、あんたどんだけ死神に狙われてんだよっていうくらい死に遭っていてもケロッとしております。何度も殺人事件の容疑者として留置所に入れられる霊媒娘といいタクシューの書くメインヒロインはほんまたくましいわ。(けど彼女をそもそもこんな酷い目に遭わせない為のお話でもあったのよね…)

犬好きにもオススメします。
何故ならこの話で得られる仲間の中で最大の頼れる味方、ミサイルが居るからですッ!!!
ネタバレにならない程度に伝えると犬好きはきっと彼の忠犬さに涙する。
猫派ウサギ派ハムスター派の人でもきっとミサイルの可愛さとお茶目っぷりにメロメロになる。

無駄にキレのあるダンスをするノッポノホワイトラブリーことカバネラ警部も最初は敵かもしれないと疑うかもしれないし、彼自身もその心算で行動していますよ。(まあ喩え話本当に敵だったとしても憎めなかったと思われ…)

とまあ、序盤のキャラクターだけで全員見事に心に残るのも、やはりタクシューのユーモラスなセンスがずば抜けているからですね。
その他細かい小ネタも全クリした後でハッ、あれ実はこういう意味だったのかと直ぐ気が付かせてくれるくらい伏線回収もバッチリやってくれます。

最後に。

ゴーストトリックには続編があったかもしれません。
けれど、この作品はこれ一本で見事に完結しております。
私を含めた多くのエンディングを見届けたユーザーはそう思っているでしょう。

実は、この結論は逆転裁判シリーズの全ての始まりだった逆転裁判(1)にも当て嵌まっておりました。
アレで完結してても良かった。何故なら、あれでゲームとして物語として十分に完成していたから。一人のユーザーとしてこの意見は揺らぎませんよ。
けどまあ、シリーズ化してくれたからこそ逆転検事及び検事2や大逆転裁判という神作品も世に現れたことも善き善きと承ってます。

もしゴーストトリックに続編があるとすれば、死者の力の源になった【■■■■■】を巡っての一騒動でしょうね。
(※本当に重要なネタバレなので全部伏字でご了承ください)
ただしその時にはキャラクターは一新した方がいいでしょう。
今作のキャラクターはあくまでサプライズゲストとして、留めた方が良いです。特にシセルは色んな意味で、出てきただけでネタバレになってしまいますからねぇ。(※但し逆転検事でチラリと出てきたナルホド君のように、私達をニヤッとさせる程度なら大歓迎です)

今回の最新機種一斉販売による話題沸騰によって、タクシューが実は残していたアイデアノートが開かれて、彼が筆を執ることになる。個人的な希望的観測としてはこの程度でいいんじゃないでしょうか。



最後に言えることは一つ。
この奇妙で面白くも感動深い物語に感謝を。

これにて感想を述べ終わります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?