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5月国内企業物価指数・前年同月比はやや鈍化か。4月機械受注・前月比は3カ月ぶりの増加を予測。―日本の主要経済指標予測(2023年6月1日)―

5月の国内企業物価指数・前年同月比は21年6月以来の伸び率に鈍化か(6月12日発表)

5月15日発表された4月の国内企業物価指数・前年同月比は+5.8%と26カ月連続の上昇になりましたが、3月の+7.4%から1.6ポイント縮小しました。前年同月比は22年12月に+10.6%の直近ピークをつけてから4カ月連続で縮小しています。+5%台の前年同月比は21年8月の+5.7%以来です。前月比は+0.2%の上昇でした。
なお、同時に発表された輸入物価指数(円ベース)の前年同月比は▲2.9%で、26カ月ぶりに低下になりました。

5月の国内企業物価指数の前月比は▲0.2%程度になると予測しました。前年同月比は+5.5%程度と、4月の+5.8%から0.3ポイント程度上昇率が若干鈍化するものの、27カ月連続の上昇になると予測します。前年5月の前月比は+0.1%と低めの伸び率でした。5月の前年同月比が+5.5%程度と予測通りになれば、直近のピーク22年12月の+10.6%を5.1ポイント程度下回り、21年6月の+5.0%以来の低い伸び率になります。前年同月比が直近のピークの約半分近くになったので、だいぶ鈍化したと感じられる数字でしょう。
国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、5月は、需要の弱さから非鉄金属などが低下し、前月比が▲0.4%と低下になりました。前年同月比は+1.5%で、4月分の+2.0%から上昇率が鈍化しています。

※国内企業物価指数5月前年同月比は筆者予測

4月の機械受注(除船電民需)・前月比は3カ月ぶりの増加か(6月15日発表)

5月22日に発表された、設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力除く民需、以下、除船電民需)の3月の前月比は、事前の増加予測と異なり、▲3.9%と2カ月連続の減少となりました。大型案件は3件、内訳は非鉄金属1件、造船業2件でした。内閣府の機械受注の判断は「足踏みがみられる」で、4カ月連続据え置きになりました。

1~3月期は前期比+2.6%で、事前の見通しの+2.9%は下回ったものの、3四半期ぶりの増加となりました。4~6月期は+4.6%の増加となる見通しです。これを達成するには、4月から6月まで各月前月比+4.5%が必要です。なお、4~6月期の前期比実績は見通しと比べ09年から22年までの14年間でみると、上振れ6回、下振れ8回であり、どちらもあり得る可能性がある四半期と言えます。

4月機械受注(除船電民需)の前月比は+4.8%程度と3カ月ぶりの増加と予測しました。2月・3月の前月比が2カ月連続で減少したことの反動が出るでしょう。機械受注(除船電民需)の前年同月比は+6.0%程度と2カ月ぶりの増加になるとみました。

関連データである、日本工作機械工業会の工作機械の国内向け受注額をみると、23年4月の前年同月比は▲21.5%です。21年3月から22年8月まで18カ月連続増加となった後、19カ月ぶりの減少になった9月▲8.9%、10月▲11.4%、11月▲8.7%、12月▲17.4%、23年1月▲1.7%、2月▲20.2%、3月▲18.0%に続き8カ月連続の減少になりましたが、4月の減少率は拡大しました。

4月の景気ウォッチャー調査・設備投資関連・現状判断DIは54.2、設備投資関連・先行き判断DIは75.0で、景気判断分岐点の50を現状、先行きとも上回りました。先行き判断では「全般的な値上げは続いているが、世の中が活動的になってきているように感じる。地場産業の省エネ補助金による設備投資も出てきている。(南関東:一般小売店[家電](経理担当)」というコメントがありました。

※23年4月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。