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4月国内企業物価指数・前年同月比は日経商品指数を追いかけるかたちで鈍化?4月入着原油価格(貿易統計)は、前年同月比マイナスに転じる可能性大。―日本の主要経済指標予測(2023年5月1日)―

4月分国内企業物価指数・前年同月比は21年8月以来の5%台に鈍化か(5月12日発表)

4月の国内企業物価指数の前月比は0.0%程度と、3月と同じ横這いになると予測しました。前年同月比は+5.5%程度と、3月の+7.2%から1.7ポイント程度上昇率が鈍化するものの、26カ月連続の上昇になると予測します。予測通りになれば、直近のピーク22年12月の+10.6%を5.1ポイント程度下回り、21年6月の+5.0%以来の低い伸び率になります。5%台の前年同月比は21年8月の+5.7%以来です。だいぶ前年同月比が鈍化したと感じられる数字でしょう。
国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、4月は、需要の弱さから非鉄金属が低下し、牛肉などの高水準の国内在庫が重石となり食品が低下するなどで、前月比が▲0.3%と4か月ぶりの低下になりました。前年同月比は+2.0%で、3月分の+4.8%から上昇率が鈍化しています。

※国内企業物価指数4月前年同月比は筆者予測

4月の入着原油価格・前年同月比は、25カ月ぶりに下落に転じた可能性大

貿易統計から算出する入着原油価格(金額÷数量で算出)が4月上旬で69,737円/kl、前年同旬比約▲11.5%になりました。前年同月比の直近ピークだった22年6月は+101.2%の上昇でした。当時の入着原油価格は9万円/kl台で、そこからは大幅に低下しました。入着原油価格・前年同月比が下落したのは21年3月の▲1.7%以来で、当時の単価は4万円/kl台でした。
4月貿易統計の公表日の5月18日には、4月月間の入着原油価格・前年同月比の下落が判明すると思います。
原油価格WTIは23年4月79.44ドル/Bで前年4月の101.64ドル/Bに比べ▲21.8%で1月から4カ月連続前年同月比マイナスになっています。原油価格本体はだいぶ落ち着いてきていますが、まだ前年同月比には円ベースでみた為替の円安の影響が残っています。しかし、昨年の秋は現在より円安水準だったので、今秋になると前年同月比でみて円高ということになり、23年後半の物価安定要因となっていくことが期待されます。

※2023年4月は、4月上旬前年同旬比

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。