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3月の鉱工業生産指数(速報値)は2カ月連続上昇を予測。3月商業販売額・小売業の前年同月比は2月+7.3%から鈍化か。―日本の主要経済指標予測(2023年4月20日)―

3月の鉱工業生産指数(速報値)は2カ月連続上昇か(4月28日発表)

3月の鉱工業生産指数(速報値)の前月比は+0.4%程度と、2カ月上昇になると予測しました。但し、関連データによってプラス・マイナス分かれており、実績値が下降になってもおかしくはないと思います。実績値は前期比ゼロ近傍になる可能性が大きそうです。
3月の季節調整済みの指数水準は95.3程度で1月の90.7を底に持ち直し傾向になると思います。22年8月の100.2からの低下基調は23年1月までで一応止まった可能性が大きいとみます。
また、3月の前年同月比は▲0.4%程度と5カ月連続低下になると予測しました。今年は基準改定に合わせ年間補正が行われるということで、通常の2月確報値発表時の4月中旬には年間補正は実施されませんでした。そのためか23年3月の季節指数は22年3月のものと同じになっていることを考慮しました。
製造工業生産予測指数の3月は前月比+2.3%の増加見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、3月の前月比は先行き試算値最頻値で▲0.3%の下降になる見込みです。90%の確率に収まる範囲は▲2.6%~+2.0%になっています。
3月の財務省貿易統計で輸出の前月比は▲0.8%になりました。日銀の輸出物価指数の前月比は+0.6%です。一方、3月の日銀の実質輸出の前月比は+1.0%の増加になりました。
景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は22年10月45.3、11月45.2、12月44.4、23年1月43.1、2月43.6、3月46.8と推移しています。このような関連データなどを、総合的に判断し予測しました。

※2023年3月は筆者予測値

3月商業販売額・小売業の前年同月比は2月+7.3%から鈍化か(4月28日発表)

3月商業販売額・小売業の前年同月比は+5.1%程度と2月の+7.3%から増加率が鈍化すると予測します。まん延防止等重点措置が22年2月は1カ月間だったのに3月は21日までだったことの反動も出て前年同月比が鈍化すると考えられます。
3月の大手百貨店4社の売上高・前年同月比の単純平均は+15.0%で2月の+24.8%から9.2ポイント鈍化していることなどを参考にして、各種商品小売業・3月前年同月比は2月の+10.3%から増加率が鈍化するとみました。
また、自動車小売業の3月前年同月比は2月の+17.0%から増加率が鈍化するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の3月前年同月比は+12.1%と2月+22.9%から増加率が鈍化しているからです。燃料小売業の3月の前年同月比は2月の+0.2%の微増から微減に転じる可能性が高いとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、3月は▲4.0%程度と2月の▲2.6%程度から下落幅が拡大しています。
なお、景気ウォッチャー調査で2月から3月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、49.8から48.0へ低下しています。これらを総合的に判断し予測しました。

※2023年3月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。