おばあさんと折り紙
次男が生まれたのは平成4年2月8日。
長男はその時2才と1か月。
その頃住んでいたのは、田園都市線の某駅からバスで10分くらいのところ。
横浜市緑区だ。
まだ緑豊かで空き地だらけ、2DKのアパートに住んでいた。
長男は活度的な子だったので、次男は、生後2か月から、一緒に外に連れださざるをえない生活をしていた。
アパートの横には河があり、遊歩道が整備されていて、そこをまっすぐにゆっくり歩いて行くと20分くらいでスーパーがある。
お天気の良い日は大抵、次男を新生児用のベビーカーに乗せて、長男と代わる代わるそのベビーカーを押しながら長男とお話しをしながらお散歩兼買い物に出かけた。
ある日、スーパーへ向かって歩いているとそちら側から、品の良い65〜70歳代くらいのおばあさんが歩いてきて、私達親子3人を見ると、目を細めて、
「あら、可愛いわね〜こんにちわ。。。
お兄ちゃん、ベビーカーを押して偉いねぇ。」
私「こんにちわ」
長男 笑顔
「これ、沢山作ったから、よかったら、受け取ってね」
と、差し出されたのは、
緑色の折り紙で折った カエル だった。
長男は受け取り、ニコニコして、
「あんがとー」(ありがとう)
と、まだおぼつかない言葉で、そー言った。
私も「ありがとうございます😊」
おばあさんは、そのまま、私達が来た方へ歩いて行った。
実家が北海道の私は、平日の旦那が仕事でいない時間は
今で言うワンオペで、2歳違いの二人の男の子を育てていたので、
そのおばあさんが、そうやって話しかけてくれたことが、とってもとっても嬉しくて、
素直でいつもニコニコしていた長男を褒めてもらえたのも嬉しかったし、
ベビーカーでお行儀良く眠っている生後2か月の次男も可愛らしかった。
今夜は、ジブリのピアノアレンジ曲を聞いていたら、何故かその時のことを思い出し、
涙が出てきた。
小さいのに弟を可愛かって頑張って歩いていた長男。。
そしてまだ生後2か月だった、、、
2か月だったのだ、、、
その次男はもういない。
いないの?
本当にいないの?
いないのだ。。。
そして私は、あのおばあさんの年代に近くなって来ている。。きっとあのおばあさんには、側に孫はいなかったのだろう。
折り紙で沢山カエルを折っても、
喜んで遊ぶ孫はいなかったのではないか?
だから、通りすがりのあどけない2歳の長男をみつけ 立ち止まってくれたのだ。
長男は今30歳だ。
私は今でもあの時のことを忘れない。
あったかい気持ち、切ない気持ちが
蘇る。
キラキラしていたあの頃。
私の大切な大切な、、、、息子達。
昨夜、次男のフィアンセからLINEが来た。
".明日は、○○(次男の名前)と、入籍しようと約束してた日なので、お墓参りに行きます😊その後の予定もタイトなので午前中のうちに行きますね。"
と。
彼女が来る時は、駅まで車で迎えに行ったりするのだが、きっと一人でゆっくりお墓参りをしたいのだと私は察し、同行はしなかった。
ちょうど1年前に、2人であらたまってうちに来て、
婚約しました。
と、
報告を受けたことを思い出したりした。
赤ちゃんの頃の次男。
婚約した次男。
一生懸命に生きていた次男。
愛されている次男。。。
今夜も涙が出た。。。
おやすみなさい。
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