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オススメ参考書3 佐々木隆宏の数学の発想力が面白いほど身につく本

オススメ度 ☆☆☆☆


数学の勉強法には縦割り、横割りと言った言葉が使われることがある。分野ごとに解法のパターンを習得するのが縦割り。分野ごとに応用問題に取り組むのも含むだろうか。そして、それらが一通り終わったのち、分野に捉われず、いろんな分野の問題を横断的に学ぶことを横割りという。この横割りの参考書というのは難しいことが多い。その中でも本書は最も読みやすく、かつ解説含めた内容が素晴らしいと思いとりあげる。300ページほどだが解説が大部分を占めており、問題数としてはそこまで多くない。別の解法で問題が解けてしまうことがあるかもしれないが、しっかり解説の考え方を理解して使いこなすようになるのが目標である。


発想法といっても「対称性を利用する」といった抽象的なものばかりではなく、ノミネート法や予選決勝法のような少しレベルの高い典型解法についての紹介が多い。確率漸化式など、普通の縦割りの勉強では手薄になりがちな部分には基礎的な部分から解説し問題数とページをしっかり割り当てている。


2018年の9月に第2版が出たのだが、第1版との違いとしては、ページの空白、挿絵、問題一覧がなくなりページ数が薄くなり内容も少し変わった。また第二章が以前は普通に分野別に目次として並んでいたのだが、今回はより抽象的な見出しになったことによって「発想力」に通じるようになっている。



(どんな人に向いているか)


まず縦割りの勉強がある程度終わっている人である。基本的な解法が定着していないのにこういう本に入るのは良くない。そして、志望校のレベルがある程度高いこと。GMARCH以下志望の生徒には必要ないように思う。また、他の横割り本を使ってみたが難しくて進められなかったという生徒にも良い。分野はⅠAⅡBのみなので文理問わない。


◎ⅠAⅡBが一通り終わって模試の偏差値もいい感じな生徒
◎難関大を目指す生徒
◎横割り本をやりたいけど難しいものが多くて進められない生徒
△数学は苦手だけど表紙がアニメ絵なのでとりあえず買ってみたい生徒



(問題のレベル)4~8(10段階)


相反方程式など教科書+αくらいの内容から東大京大の過去問まで。難関校の過去問が多いが、その学校のなかではそれほど難しくない問題が多い。図形の分野は難しいかもしれない。



(気になる点)


「発想」という言葉に過度な期待を寄せると裏切られるかもしれない。あくまでレベルの高い解法を学ぶのがメインか。ただ、この点に関しては第2版になったことで少し改善された。


※参考書を批判する目的ではなく良いものを紹介する目的です。すべての参考書で気になる点を挙げています。

youtubeの参考書紹介も是非ご覧ください。


オプスタ


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