【夏のレプリカ 森博嗣】感想

最近読んだ本の感想を書こうと思います。
第1版から驚愕の19年という月日が経っているにも関わらずむっちゃ面白いS&Mシリーズに現在どハマり中の秋山おさです。

先月からS&Mシリーズを【すべてはFになる】から出版された順番に無茶になって読み進めており、この夏のレプリカだけを読んだわけじゃ全然ないのですが、【すべては…】から書いていくと語りすぎて超長文になりそうなので、とりあえず一昨日読み終えたばかりの【夏のレプリカ】から書こうと思いました。

[あらすじ]西之園萌絵の親友、簑沢杜萌の視点で進むシリーズ中では異色な雰囲気。杜萌の誘拐から2つの事件が起きる。(詳細はWikipediaとかで参照してください)

杜萌という人物は、美人で年若く、日本で1番の大学で院生をやるような賢さも持ち合わせている天は二物も三物も与えたような人物であるのに、どうにも暗さというか真面目さがあるなあと感じる。
萌絵と比較してしまうからかもしれないけど。
でもきっとそういう優しさや真面目さが、彼女のよいところであったはずなのだ。

物語終盤の、萌絵と杜萌でチェスをし杜萌が勝つシーンは本当に悲しかった。
クイーンとルークを犠牲にしてキングを守るという考え方をする杜萌が悲しかったし、このシーンがこの作品を象徴しているなと思った。

確かに犀川先生の言う通り、少し離れて外から見れば、杜萌の言っていることが矛盾が多いことは気がつくのに、中にいるとわからないな。
客観的な視点を持つことって難しい。
萌絵のような人間であっても、友達に対してはそうなってしまうのかと思うと、どれほど大事な友達だったのかわかるな。

しかし。素生の失踪について謎めかせて、わりと最後まで引っ張ったのに、どうやら本当に盲目でそして女性と一緒に新幹線のホームにいたとは。
あとロッキィが死んだ件、お父様が殺したとは?杜萌は本当は噛まれてないとは?…何かの比喩なのかな。
私の読解力がなくてどちらの件も、ふわふわな想像しかできないや。

杜萌だってもう少し素直に誰かを好きになれたら、もっと違う展開があったかもしれないのにな、なんて。

さて、また本でも読もうっとうっと。




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