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囚人ディリ、ネタバレ有り感想


はじめに


今年の6月にこの囚人ディリのヒンディリメイク版「ボーラー」を先に2回見ており、囚人ディリに関しては映画館で初見を見るまでは手元のDVDをあえて封印しておりました。
ですので、ボーラーでの作品把握を事前にしていた上での、囚人ディリ初見感想なので、リメイク版との比較の観点からの感想になります。ご理解ください。
なお、ボーラーの感想はこちら→ 初見感想2回目感想(ネタバレ有)。
ところで、囚人ディリ、DMM.TVにて配信あるんですね。ついさっきまで知りませんでした。

https://rcv.ixd.dmm.com/api/surl?urid=cSHqstvj&lurl=https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=cia5967jjzip1mpazitmx9c0s


キャスト(敬称略)
ディリ:カールティ
ビジョイ(ディリにトラック運転を依頼する警官):ナレーン
パールパンディ(上官にそそのかされる汚職警官・気絶したふりしてトラックの荷台に同乗):アルン・アレクサンダー
アンブ(輸送中のコカインを奪われ警察への報復を誓う):アルジュン・ダース
ナポレオン巡査(配属されたばかりの55歳):ジョージ・マリヤーン
保護観察官ナリニ:マラヴィカ・アヴィナーシュ
カマチ(ビリヤニ提供したトラックの持ち主、巻き込まれてディリ達に同行):ディーナー
アムダ(ディリのまだ見ぬ娘・孤児院にいる):ベイビー・モニカ
アジャス(アンブの元に潜入している捜査官):カンナー・ラヴィ



比較ベースの感想

リメイク版を先に見ていたことで、タミル版の良さも際立ちました。
まずリメイク版はやはりヒンディ映画ということでアクションが派手でした。アジャイさんが神器のような武器で戦うのも、そちらの方が派手で観客が盛り上がるからなんだろうな。これはタミル映画のヴィクラムとヴェーダーがヒンディ版でリメイクされた時にもあった特徴ですが、とにかくアクションも構図も画面の色合い(色調)も派手になりますね。
しかもバイクアクションが加わったのは、アジャイさん=バイクアクションと観客が求めるものを判っているからなんでしょうね。あと光の演出というか、全体的にキラキラしていた。
対して、オリジナルのタミル版は派手さはないけれど、その分、アクションが本当に「人間と人間が戦っている感じ」がして、映画として物凄く現実的というか、地元ぽさというか、土着感というか、こういうところが自分に物凄く合うなぁと感じてます。

話の流れとしてはオリジナルとヒンディリメイクに大差はなくて、ヒンディ版はそれにあちこち「ちょい足し」されている感じでした。

あらすじはウィキに書いてあるのがほぼ合っているので、リンク貼っておきます。
囚人ディリ - Wikipedia
あとこちらのブログも判り易いと思うのでご紹介。
囚人ディリ - インド映画でちょっと休憩 (komeindiafilm.com)

基本、比較感想になります。

冒頭、孤児院のシーンで先生がアムダに「明日はあなたを尋ねてくる人がいるから早く寝なさい(意訳)」といい、何故と問い掛ける彼女に、先生は特に相手のことを教えないため、彼女は気になって仕方なくなる。
同じ孤児院のちょっと背の高い友達(年も上かもしれない)の少女に、何度も明日くる来訪者が気になって仕方ないと伝え、夜中も眠れないアムダ。見かねた友達が、孤児院の着信履歴から相手に電話をかけてみたらどうかと提案し、電話をかける。何度かかけてやっとつながった時、主人公のディリはトラック運転中の上、更に応戦中という「いまそれどころじゃない」状態。

このアムダが孤児院から着歴をさぐってディリのスマホに電話をかけるシーン、タミルオリジナルだと普通に電話取次のおじいさん?が優しいんだけど、ヒンディ版だと最初はちょっと電話を貸すのを渋るんですよね。でもいじわるなおじいさんと思わせておいて、最終的に掛けなおしてきたディリにちょっと咎めるのは同じ。でもヒンディ版は割とがっつりディリに説教していた記憶が。

ディリの保護観察官?のナリニさん、見た瞬間「あ、もしやK.G.Fのニュースキャスター役の人?」ってテンション上がりました。今回は眼鏡かけてちょっと雰囲気違うけれど、あの眼力あるお顔は間違いない。

どうもアジャイさんのリメイク版を先に見ていたせいか、10歳の女の子の親としてはカールティさん若すぎないか?という気持ちがちらちらと。
これ逆だったら、アジャイさんは何歳の役なの?って気持ちになるのかな。

囚人ディリのネタバレは事前になるべく踏まないように気を付けていたけれど、何度かTwitterでの紹介文で見ていたのは、ディリが警官たちのパーティ現場に残っていたものを食べるシーンの違い。そこはオリジナル版はバケツいっぱいのビリヤニ。リメイク版はチキンの山。その違いくらいは事前に知っていた。
あとリメイク版の字幕だと、パーティ出席の警官たちに盛られたもの、具体的な成分でかかれていたけれど、医者との会話から「毒らしい」と認識して最初から警官たちの命は軽視されていたように感じたけれど、
オリジナルだとパールパンディが酒に盛るよう渡されたのは字幕でははっきりと「鎮静剤」とかかれている。8時間は眠るといわれて盛っている時点で、命令した側は警官たちの命を取る事までは求めていないだろうと思われる。但し量が多いと命にかかわると言われていて、実際いれすぎたのか、アルコールとの相乗効果で悪化したのか判らないけれど、眠るどころか耳から血を出している人までいる。
このパーティの席でビジョイだけがアルコールを口にしなかったお陰で助かっているんだけど、そのアルコールを口にしなかった理由である「腕の怪我」については、タミル版だと冒頭で既に怪我しているビジョイがうつるだけで負傷シーンはない。それがリメイク版だと冒頭、のっけから警官とコカイン輸送車とのドンパチシーンである。いわゆるエピソードの追加ですね。その方が確かに、大変な捕り物劇の末に負傷した警官という深みが出る。しかもリメイク版はこのビジョイにあたるポジションの警官が女性なので、特に冒頭のドンパチは格好良さが際立つ。
鎮静剤をもられた場所は、定年退職を迎える警察局長の邸宅。リメイク版はバタバタと倒れる警官のシーンだったけれど、タミル版オリジナルは倒れたついでにプールに落ちる人もいて、「いやこれ、死んじゃうよね?」という感じに。結局あの落ちた人も、ちゃんと助かったんだろうか。全員トラックの荷台に積んだようだから死んだ人は居ないと思うけれど。

アンブ達の元に約2年間潜入していた捜査官のアジャス。リメイク版だと、アシュ(※アンブのポジションキャラののリメイク版での名前)が「お前の周りに内通者がいるぞ」という電話を受け後、割とすぐに捜査官の彼が目星をつけられ、何度も彼の行動があやしまれているんだけど、オリジナルだとアンブは最後の方まで内通者が誰か気付いていない。
しかも途中、アジャスは自分のスマホのシムカードぬいて川に投げ込んでいるし、一旦撤退しているのでその時点で逃げおおせていれば助かった可能性も。アンブ達を追いつめるさらなる証拠さがしのために家探し的なことをしていた最中に、偶然みた敵のスマホのメッセージに、ビジョイ達がピンチだと知ってかけつけているから、このスマホ見て居なかったら彼は助かっただろう。とはいえ、そうなるとビジョイ達が殺されていた可能性も高いのだけど。一瞬でも、このアジャスが助かる世界線を期待してしまった。
結局ビジョイ達のピンチにかけつけるも、敵に自分が内通者だとその時点で知られてしまっていたので、ビジョイ達の命をひきのばす時間稼ぎ役でしかなかったけれど。
映画の前半で、潜入中のアジャイが「自分のせいで何人も殺された。もうやめたい」という弱音を、電話越しにビジョイに伝えているシーンがあるから、尚更、危険を承知でかけつけたアジャスは、ビジョイにとって誇らしい部下になったと同時に、彼の死の辛さが一層増したと思う。

リメイク版ボーラーだと、パーティーのケータリング業者のお兄さん(30代後半くらい?)がまきこまれて、一緒にトラックにのせられて道案内させられていたけれど、オリジナルだとまだ23歳の若者カマチ。お家がビリヤニ屋?
リメイク版だとボーラーが何度も彼の名前を間違えて(天然なのか、わざとなのかは判らない)そこをコミカルシーンにしていたようだけど、タミル版はそういうちょっとした息抜きは一切なしで、カマチは当初はディリ達に非協力的なところも。でもしだいにディリとビジョイを見捨てられないって気持ちになっていく。しかも追手のアンブの部下達につかまってピンチになったり、ディリに支持されて銃を撃ったり、リメイク版よりも大変な目にあっている。そして彼は運転できない。ディリも、巻き込むビジョイに対して「若者の命も巻き込むのか」と言うシーンもあり、ディリがまだ若い彼を守ろうとしている。
そんなディリに対して、カマチも「あの警官、約束守るか判らない」といって、ディリに逃げるように促すんだけど、それに対して「娘のことを頼んだ彼を殺すわけにはいかない」みたいな義理と人情面発揮して、彼は俺が守るといっている。(リメイク版にはそういう感じはない。ケータリングのお兄ちゃんが常にボーラーに調子よく絡んで、だんだんとボーラーも心を許していったのかな?くらいだし、警官を無事目的地へ送り届けることにそんな大きな誓いを立てていない。早く終わらせて、娘に会いに行きたい。会いにいく面会時間に間に合わせようという印象。)
リメイク版のケータリングの兄さんは運転は少しはできるけれど、事故をよく起こすので自分の車を壊したくないから「運転できない」って言っている人ってことになっていて、実際、(途中で姿を消すから逃げたのかと思いきや)ボーラーのピンチに、どこかから車を調達してきて救いにかけつける。どちらも戦いには素人だけど、奮闘して主人公達をサポートしている。

盛られた警官たちを病院に運ぶトラックの一夜の話なんだけど、そのトラックもタミル版は荷台に屋根のない一般的なトラックに対し、ヒンディ版は幌(いわゆる屋根代わりの布に上が覆われている)があるため、途中、敵の襲撃を受けるところでその幌に火がついて、絵的に画面が燃え盛る炎で鮮やかになるのも、派手さをアップする為の改変なんだなと気付く。
警官を一刻も早く医者に見せないと命にかかわるので、ビジョイはすごく焦っているんだけど、ディリは割とマイペース。
孤児院のおじさんから送ってもらった娘の写真が、自分のスマホでは画像おもすぎてダウンロードできないから、途中、トラックを冷却するためとめているシーンでは、小高い場所でスマホかかげて「電波こいよ」ってやっている。(まぁそのお陰で最終的には娘の写真を見ることが出来た)
この辺りは、リメイク版だと、同じくスマホが少し古くて重い写真画像がなかなか砂時計のままダウンロードできないってのは同じなんだけど、せっかくダウンロードした写真が集合写真で「娘はどれだ?」となっている。
(これは電話取り次いだおじさんがわざと集合写真よこしてきて、ちょっと意地悪しているような匂わせもある)
あとディリは途中で、神様に祈るシーンもある。
リメイク版は逃走中に祈るシーンはないものの、主人公の過去を語るシーンで割と派手に祈祷しているシーンがある。
主人公の過去と言えば、今回のディリを見る前、「タミル版の奥さん役はどんな女優さんなんだろうな」と思っていたのに、ディリの過去はディリの口から語られるだけで、どの部分の映像化は一切なかった。
(奥さん役の女優とのハッピーシーンないのかよ!)と内心ツッコミした。
ヒンディ版は奥さんとボーラーのなれそめシーンを割と丁寧に映像化していたし、その中でボーラーはバイクを乗り回す街の荒くれ者のように描かれている。しかも妻を連れ去った相手は船にのってきた?ような描写も。
でもディリだと「寝ているところに複数の男達がしのびこんできて、彼女を連れて言おうとしたから殺した」せいで殺人罪で刑務所にいたことを、カマチに語るだけ。カマチが「奥さん死んだの?」という問い掛けに、ディリは応えずに顔を覆って泣くだけ。明確に死を口にした訳じゃないので、連れ去られたという解釈も出来なくない。(ヒンディ版は多分連れ去られた)

コカインが保管されている警察署に乗り込んでなんとか中に入ろうとするも、作りが頑丈でなかなか入れないアンブと部下達。
自分で探し回って、建物横の木を登って、2階もしくは3階に忍び込むアンブ。木を登るだけでも結構苦労しているし、部下達は壁壊しに夢中で全然自分の声を聴いてくれないから、なんだか一人で苦労している。
そのアンブのリメイク版「アシュ」の方は、確かに同じく一人で入り込める場所見つけて、建物のぼるんだけど、アンブみたいにやっとの思いで上まで登るという感じじゃなくて、割とひょいひょい、スタイリッシュに建物に乗り込んでいく。
そういやタミル版の冒頭、アンブの初登場シーンで、裏切った可能性のある部下を追いつめているシーン、結局のところその部下を殺すのは別の部下だし、アンブ自身は劇中で誰かを殺すシーンがなかった。
ヒンディ版のアシュは、冒頭からサイコパスなキャラという印象を観客側に見せつけるためか、ギャング達が踊り子と盛り上がっている裏で、執拗にナイフで相手を切りつけて楽しんでいる。

あと籠城する警察署の面々にも違いが。
巻き込まれて一緒に籠城する大学生たち。一人がアンブの部下に後ろから襲われ、部下はその命とアンブの解放を、取引として持ち掛けるが、そんな交渉するのは男らしくないと思ったのか、アンブは「さっさと殺しちまえ」と部下に命令している。この時点で、周りの友達や巡査はその子を助けようとかけよらず、アンブと部下を交互にみて戸惑っている感じ。唯一、女の子だけが、彼を助けるためにナポレオン巡査に「早く(アンブに)鍵を渡して」と叫んでいる。
リメイク版は、後ろから金属のひもで首絞められている大学生を、周りの皆がなんとかその金属を切ろうとペンチを探したり、必死に彼の首がしまらないように抗っていて、アシュが「ほらほら死んじゃう」と言葉で煽って面白がる感じ。
どっちもどっちだけれど。
結局その大学生が死んでしまうのは同じなんだけど、タミル版は彼女がナポレオン巡査に対し「残れというから従っただけなのに、死んじゃった」と責めるが、ヒンディ版の彼女は巡査に対して責める言葉はなくて割と気丈だった覚えが。ヒンディ版だと死んだ彼は、彼女に何度もアプローチしていたような雰囲気だったし、彼女はこの日はじめてそのアプローチに応えたけれど、彼がその直後に亡くなったことで、今まで彼に対してとっていた態度を後悔している様子もある。
その後、敵を殺すことよりも捕まえる事を重視していたヒンディ版の巡査は、初めて自分の手でアシュを鈍器で襲う。あのアシュは死んだと思うし、留置所にいた彼の兄とか部下が「あの警官、アシュをやりやがった」という科白をいっているので、気を失っているだけとは考えにくい。
しかしこのタミル版は消火器でナポレオン巡査が殴るだけなので、気絶して倒れただけの可能性も高い。(そうなると捕まったアンブが後日脱獄して、他の映画で再登場する可能性もある?)

ディリの娘アムダについては、ヒンディ版だと面会者に対してお洒落しておこうと、しまいこんでいたワンピースを取り出すと、穴が開いていたので、自分で慣れないながらミシンを使って補修するというシーンが追加されていたが、オリジナルだとそういうネタは一切なかった。

ヒンディ版だと、自分も盛られた警官の一人と装って、トラックの荷台から逃走ルートをパールパンディが逐一電話での会話にて報告しているんだけど、ヒンディ版だと彼のスマホの位置情報を送り続けることで、敵がトラックの場所を特定して襲ってくるという設定だった。
待ち構える敵にしても、ヒンディ版は(まるでゲームの様に)進先に敵が待ち構えているという感じだったけれど、タミル版は警官ビジョイにかけられた賞金が欲しい故に、アンブの部下達が我先にとしかけているって感じで、仲間同士の結束よりも、競争している感が強かった。
(そういや、ヒンディ版だとそもそも警官の首に賞金がかけられていたかも覚えていない。多分お金よりもコカイン奪還や警察への復讐で、部下達は動いていた気もする)

ヒンディ版のアシュとその兄のニターリが、ビジュアルでもインパクト強すぎて、登場するだけで画面が凶悪なんだけど、
タミル版は……兄のインパクトが薄いかな。
最後、ディリのことを知っているような匂わせ発言をしながら、留置所の奥の壁に座り込んでいる。信じられない?みたいな顔はしているが。
ヒンディ版の兄貴は、ディリを見た瞬間から怯えている。明らかに次回作を匂わせているし、そもそもヒンディのエンディングに出てきた「船にのってやってくる、左手が義手の謎の男」をちらちら映している。
そしてラストシーン、娘と会って、彼女をだっこしたまま帰るディリに、トラックめちゃくちゃになって歩いて帰るしかないカマチが並んで、道路脇をひたすら3人で歩いていく背中でエンドロール。
ヒンディ版はトラックが無事だったか、ケータリングの兄さんカドゥチーが彼と娘をトラックの荷台に乗せて画面から去っていく演出。

違いと言えば……。
眠った警官たちを警察へ引き渡して病院にいかせるために待ち合わせと選んだ場所。
タミル版はどhttps://editor.note.com/notes/n9e1f0247a761/edit/こかの学校。ディリがカマチに自分の過去を語るシーン、目の前は夜の野原。眠った警官を病院側(?)に引き渡す時の乗り物も、事件を明るみに出したくない警察の配慮か、スクールバス。
ヒンディ版は寺院らしき敷地内で、しかも主人公が過去を語るシーンの背景はなんか神々しい滝のある場所。なんかこの辺りが妙に画面の色合いもファンタジーぽい。

アンブに警察の情報を流してずっと裏で暗躍していた警察内部の上官、1回だけの日本語字幕だとキャラクター名追えなかったんですが、ウィキによると「ステファン・ラージ麻薬取締局長」となってます。
え、麻薬取締役の長が自らヤクの売買にかかわるの?と思ったけれど、こういう地位だからこそ情報が手に入って、取引しやすいんだろうな。しかもアンブのスマホ番号を知っているのに、アンブは相手を知らないってことは、捜査の過程でアンブの情報を突き止めたということだし。
となると、ビジョイ警部の上司にあたる?彼が警察局長のパーティに居なかったのは、欠席したのか?
ヒンディ版ではこの局長、ディリの事を調べるうちにどんどん青ざめて、最後は拳銃で自殺するんですが、タミル版だとそこまではっきりとディリの存在に怯えている感じがしなくて、最後のシーンも家族が声掛けているのにベッドから起きてこない(目を瞑ったまま)でフェイドアウトするから、無くなっているのかどうかは判らない。ヒンディ版を先に見てたからこそ、このキャラおそらく自殺したんだろうなって思う程度。

アクションシーン、ディリは基本的に素手のみで戦っている。途中、敵が落とした刃物を使うシーンもあったけれど、ほぼ手で殴る、柔道のように技をかけて相手を倒す、敵数名に圧し潰されても、右手についたままの手錠を武器がわりにして殴って敵をはねのける等。
トラック運転中に襲われた時も、ドライバーテクでかわしている。(バイクアクションとかはない)
ラスト、警察署でナポレオンと会った後、コカインを敵に渡すものかと戻った彼を追って、ディリも倉庫へいくけれど、そこに押収されたガトリング銃もあって。それを使って署内に雪崩れ込む敵を返り討ちにするのはヒンディ版と共通なんだけど、アジャイさんのボーラーがガトリング銃を一人で使いこなしていたのに対し、ディリは横にいるナポレオン巡査が取扱説明書を見ながら使い方を教えている。
そう、ディリは銃器の使い方には慣れていなさそう。
ボーラーは過去のシーンで、奥さんと付き合うために銃を池に投げ入れるシーンがあるので日頃から銃を身に着けていたと思われる。手下も居たから、ギャングのような存在だろうし、武器も色々使える人間かもしれない。

パールパンディに後ろから刺されて倒れるディリのシーン。
トラックからその様子を見ていたビジョイ警部もカマチも、彼を心配そうに叫ぶ。
しばらく動かない彼に、必死に声をかけるカマチ。最終的に敵がカマチのポケットから、ディリより預かった娘へのプレゼントであるイヤリングを取り上げて、足で踏んづけて壊すんだけど、それをカマチが叫んで知らせて、それで目を覚まして反撃に出るディリ。
すべてトラックの周りだけで起こる争いごとだけど、ヒンディ版は場面移動がある。悪党たちが倒れたボーラーを数人で引き摺って、寺院内の大きな窪みだか池に投げ入れようとするも、娘にあげるはずだったアンクレットが引きずられる時に階段とぶつかって音を立てる。その音から、まだ見ぬ娘がそれを付けて歩く音を想像して、目が覚めるというなんだかファンタジーぽい演出がある。
たった一夜の出来事を描く作品でずっと夜だえど、ヒンディ版、何かと隙間に光属性のキラキラした何か……夜なのに妙に明るくないか?な演出。

あと完全に両社で異なるのは、語り部の存在。
ヒンディ版はマカランドさん(RRRペッダイヤ)演じる謎の男の口で語られるけれど、タミル版にはそういうポジションのキャラは居ない。
またボーラーは、額に灰を塗る行為をやたら強調してきて、彼が本気になる前兆みたいな扱いになっているけれど、ディリは途中で1回灰を額につけただけ。

余談

今回、後ろの方の席をとってしまった(前の方は傾斜がない席だと記載されていたものだから)ので、画面が暗い所だと俳優さんのお顔がいまいち確認できなかったりしたんですが、
警察の情報をノートパソコンで調べながらアンブに流したり、パールパンディに鎮静剤を仕込むように指示した警察の上官、メルサルでアルジュン医師演じたり、タミル版ヴィクラムとヴェーダーのボスを演じた、Hareesh Peradiさん(ハリーシュ・ペラディさん?読みは合っているのか?)でいいのかな?
今まで見た映画、ほぼ全部悪役でのご出演なので、日本でいう悪役俳優的なポジションなのかなと思いつつ、ヴィクラムとヴェーダーでちょっとお茶目なシーンも見たので、登場すると「待ってました!」という気持ちに。
Youtubeでインタビュー動画がありました。(字幕非対応動画みたいですが)
Hareesh Peradi | Exclusive Interview | I Me Myself - YouTube

お名前いれてつべ検索すると、1年くらい前に息子さんが結婚された報道とか、数か月前のショーと動画で犬の鳴き声?やっている動画とかちょこちょこありますね。可愛い。

そういえば、ナポレオンさんを初めて知ったのは囚人ディリではなく、先日自主上映で見た「LEO」が先なんですが、LEOの方が活躍度が高いですね。
LEOの感想は→こちら

割と最近になって、メイキング映像のようなものがYoutubeに。
4周年記念でアップされたようです。


先日のLEOに続いて、LCU(ロケーシュシネマティックユニバース)を見たことになります。ということは、やはりVikramも見たいですね。見る機会がありますように~!

その他、思い出したところなどあれば、随時追加していきます。
まずは見てきた勢いでのアップで。