2022年問題に向けた生産緑地法改正とは

2017年の生産緑地法改正は、2022年問題を少しでも低減するためのものとも言えます。

※2022年問題とは・・・2022年に「生産緑地」全体の約8割にあたる面積の営農義務が終了することで、一気に多くの農地が、宅地化され売却される可能性があり、土地価格の急激な下落や、周辺の中古マンションの価値の下落、新築住宅が増えるとともに空き家が一気に増加するのではないかという問題。

僕が住んでいる地方もそうですが、多くの地方都市で田んぼが宅地になり、相続税対策なのか賃貸アパートが乱立し、田園風景がツギハギになり、旧市街地は空き家だらけという状態が加速しています。

そういった状況が都市圏でも起きかねないというのがこの問題です。

2017年の生産緑地法改正により、生産緑地地区の面積要件の引き下げが行われ、従来の一律500㎡以上から、条例により300㎡以上 に引き下げが可能になりました。

これは都市農地に関するとらえ方が「都市にあるべきもの」に変わったことで少しでも保全したいという思いのあらわれでもあります。

またこの引き下げによりいわゆる「道連れ解除」への対応も可能になりました。

※「道連れ解除」とは生産緑地の一部が相続などにより指定解除される場合、残った部分の面積が要件を下回る場合に一緒に解除されること。

次に生産緑地内の建築規制が緩和されたことにより、従来ビニールハウス、温室、資材置き場などに限られていたのが、農産物の直売所や加工施設、農家レストランなどの建設が可能になりました。ただこれにはいくつかの基準があるようで実際に運営するには少しハードルが高そうです。

また、「特定生産緑地」制度の創設により、買取の申出期間がさらに10年間延長できるようになり、その後も10年ごとの判断で10年ずつ延長できるようになりました。

あるアンケート調査では60%以上の農家さんが特定生産緑地の指定を受けると回答しているそうで、これが実際に反映されれば2022年問題の影響はかなり低減されるかもしれません。

以下に農水省の資料が分かりやすかったので紹介します

緑地法改正 (2)

※参考資料 都市農業振興基本計画について



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