築67年、空家歴1年。貸家運用するための内部チェック

山形県鶴岡市で空き家のお医者さんをしています。今日は、築67年、空き家歴1年の空き家を購入して運用したい方からのご相談についてまとめます。


1.空き家の運用とは

広めの縁側

近年、空き家を安く購入し、運用する、投資家さんが増えています。
住まいとしてだけでなく、古民家カフェや、その他の様々な店舗に活用されています。
最近多い問い合わせは、民泊!
その次が貸家!
その次が店舗利用と言ったところでしょうか。

空き家の運用に注目が集まってきていることと、資材の高騰で、新築より中古住宅を購入してリノベーションする方が増えていることから、いま、中古住宅の需要が高まっています。

運用したい人にとっては残念なんですが、中古住宅の価格が上がってしまっているのも事実なんです。

そのなかから、割安なもの、資産価値が高いもの、運用しやすいものを、いかに入手するか、これが空き家の運用には重要な要素になっています。


2.物件内覧の同行の依頼が増えています。

今回ご相談頂いたのは、空き家を購入して収入を得たいという投資家さんからのご依頼で、物件の内覧に同行させていただきました。

最近、よくあるご依頼です。

投資家さんは建築についての知識がない方が多く、物件購入の決断を一人でするのはとても危険です。

物件を見るときは、もちろん物件の現状は大事ですが、今後予測される修繕費や、万が一、物件を売却することになった場合や、建物を建て替えする際に物件の価値がどうなるか、地域の相場観の予測や、建築基準法上の問題点などもあらかじめ知っておいた方が安心です。

そういうわけで、現地調査に同行してほしいという依頼が増えているんです!

今回も同行して、空き家のポテンシャルを見極め、価値を見極めてきました。
問題点がないか、修繕費がどの程度かかるか、どの程度の賃料を見込めるかなど、簡易的にお話をさせていただきました。


今回は特別にその内容を解説したいと思います。

雰囲気のあるガラス障子


3.空き家のポテンシャル(内部)

今回同行した物件は市内の住宅街にひっそりと建つ、平屋の一軒家でした。

駐車場は1台分、間取りは4Kです。
貸家にするなら本当はもう一台駐車スペースが欲しいところですが、近隣に貸し駐車場があるのでまずは、セーフと言ったところ。

建物は25坪の平屋で瓦葺、貸家にするにはうってつけの好条件です。

かなり古い築年数ではありますが、内部も外部も、手入れは行き届いていて、すぐにでも住めそうなほどきれいにされていました。これも◎。

キッチンとボイラーはかなり古いのでできれば交換してあげると、入居者さんの募集しやすさが上がります。

古い家と言っても、昔のご立派な和室というほどでもなく、簡易的な和室?の作りで、かえってリフォームもしやすく、程よく和洋折衷の古民家風に仕上げられそうです。少しお金をかけてしっかり古民家風にリフォームしたらとても面白そうな物件でした。(つまり、家賃の設定を上げても入居者さんがつきそうという予測です。)

空き家のお医者さんは、最低限のリフォームだけして安い賃料で貸すか、しっかりリフォームして高い賃料で貸すか、これは投資家さん次第ですが、そのあたりも必要に応じて資金計画のお手伝いもしています。


広めの縁側と、大きな窓の前にはサンルーム。物干しざおがありましたのでお洗濯の心配もありません。
これも入居者さんには喜ばれるプラスポイントになります。

お風呂はタイルぶろですので予算があればユニットバスにすることが望ましいですが、これも賃料によってはこのままでもいいと思います。少なくとも、きれいにお使いでしたのでこのままでも十分お使いになれますし、ちゃんとサーモスタッドの水栓でシャワーもありましたので、十分と言えば十分です。

洗面所とトイレはまだ新しく、このままでいいと思います。


今回の物件ですと、ボイラーとキッチンは必須、お風呂は戦略次第でリフォームが必要そうでした。もちろん、内装クロスも全面的に張替えすると入居付けには効果的です。


ここで、悪いニュースです。

お家が部分的に傾いているような感覚がありました。
一か所だけ、建具の建付けが異様に悪かったのも傾きのせいだと思われます。

建具の建付けが悪く、建具上部と柱の間にすき間があります。

上記の写真のとおり、ここだけ明らかにゆがみがありました。
廊下を歩くと、たしかに傾きを感じます。
これは何かしらの調査となにかしらの対策が必要になるでしょう。

築年数が古いので、この先、急激に傾きがひどくなることは無いと思いますが、原因によって、対策の方法と費用は変わってきます。


それから、床が全体的にふわふわでした。
おそらく床板が全体的にもう傷んでいる可能性があります。
これも何かしらの調査となにかしらの対策が必要になるでしょう。

内覧の同行ですと、こういった場合は表面上の見解を述べるにとどまります。

もっとしっかりと調査をされたい場合は、中古住宅診断を行うことが効果的です。詳しくはこちらを参考ください。
中古住宅診断(インスペクション)であれば、床の傾きはもちろん、天井裏や、床下や、基礎の調査も行いますので、ある程度の原因の特定が出来る可能性があります。


4.つづく

長くなりそうなので、続きはまた明日。
明日は外部の解説をしたいと思います😍おたのしみに!

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