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空家を所有し続けるということ


2013年の総務省調査によると全国の空き家数は約820万戸、全住宅の7戸に1戸が空き家という状況になっています。これが、2033年頃には空き家数2,150万戸、なんと全住宅の3戸に1戸が空き家になってしまうという民間予測となっています。
空家がどうして増え続けているのか気になる方は、前回の記事を参照ください。


1.空家を所有しているとどうなる?

空家を所有しているだけなら、なんの問題もなさそうに見えますが、実はそうではありません。

空家を所有しているだけで、毎年、固定資産税や都市計画税を払わなければなりません。土地の場所や建物の築年数によって税額はまちまちですが、必要のないものにお金を払い続けることほど無駄なものはありません。
その他にも、空家を持ち続けることで庭木の手入れや、老朽化によるリフォーム費用が一定期間ごとにそれぞれかかっていくことも想定できます。

台風や大雪などの自然災害の際にも空家の窓が割れていないか、老朽化した建物の一部が近隣の住宅に飛散してはいないか、など、空家を所有していることで発生する心配事が増えるのも事実です。

いざという時のために火災保険をかけておくことで不安は多少解決できますが、やはりこれもお金がかかります。

このように、空家を所有することで、不要なストレスを抱えることになっていたり、不要な費用が掛かっていたりすることが多くあります。

対して、空家を所有することで得られるメリットはごくごくわずかです。

荷物置き場になっていたり、長期休暇の際に親戚一同の会合場所になっていたりと、なんとなく利用している気持ちになっている方も多いと思いますが、それ、本当に活用しているといえますか?

実は放置しているのとなんら変わりありません。



2.空家が問題視されるのには理由がある

自治体目線、近隣住民目線、所有者目線、相続人目線。

空家問題はどの目線で見るかで問題点は変わってきますが、実は根っこはつながっています。
どこからみても空家は問題点ばかりです。
簡単に問題点をまとめてみました。


a)老朽化

誰も利用していない住宅は一気に傷んでしまいます。老朽化が進むと屋根や外壁などの建材が剥がれ落ちたり、建物が傾いて倒壊する危険性が高まったりとさまざまな問題を引き起こしてしまいます。


b)庭の草木の管理

生い茂った庭木や雑草が景観を乱すだけでなく、草の根や種が周辺の土地に飛散し、近隣にご迷惑をかけてしまいます。荒れ放題のお庭には不法投棄が増えたり、侵入者も潜みやすく、近隣の住宅に空き巣が入る被害が増幅するかもしれません。


c)害獣の発生

蚊やスズメバチや害獣(ネズミやハクビシン等)を発生させてしまうこともあります。


d)違法行為や不法占拠

空家になっている家は、違法行為や不法占拠のリスクが高まります。たとえば、不法占拠者が住んでしまった場合、家主が追い出すために法的手続きを取る必要があります。


e)税金

地方自治体によって異なりますが、空家税などの追加費用がかかる場合があります。また、特定空家に認定されると住宅用地に対する固定資産税の減免措置が受けられなくなり、最大で6倍!にもなります。



3.不良在庫を良好在庫に変える魔法

不良在庫の反対語は「良好在庫」です。良好在庫とは、需要に応じて迅速に販売できる、売れ筋商品や人気商品のことを指します。一方、不良在庫は、需要が低く在庫が余ってしまった、または品質に問題があるために販売できなくなった商品のことを指します。

持て余している空家はまさしく”不良在庫”。
しかし、その不良在庫を”優良在庫”にもできるんです。

それは利用方法を考えることです。
空家を空家として放置せず、正しく管理し、正しく活用することで資産に変えることができます。
魔法というと、うさん臭く感じるかもしれませんが、この魔法にはちゃんとロジックがあるんです。
ただし、地域性や空家の現状、所有者の特性などでも活用方法が変わってきます。

自分に合った魔法を探して、不良在庫を解消することが必要で、より早く解決することがなにより所有者様のためになり、ひいては社会問題も解決することになるんです。


4.まとめ


空家が空家になる要因は十人十色ですが、その管理義務や責任は間違いなく所有者にかかってきます。

空家を所有することで発生するリスクを軽減するためには、空家のセキュリティを強化し、定期的なメンテナンスを行い、不法侵入や違法行為を防止するために必要な対策を取ることが重要です。

そこにはお金や労力がかかるので、持て余してる所有者さんが多いのが現状です。手放すことも含め、ぜひ、有効に活用することをご検討いただきたいものです。



5.空家のお医者さんに相談しよう。


所有者さんには一定の責任をもって空家と向き合ってほしいと、空家のおいしゃさんは日々考えています。そして、放置空家を見るたびにもったいないと思ってしまいます。

適正な知識があれば、適正な時期に保全をすれば、維持費用は格段に抑えられます。
そして、大きな声では言えませんが火災保険や補助金を上手に使えばむしろ手持ち金が増える場合もあるんです。
さらに、空家に働いてもらってお金を稼ぐこともできるかもしれません。

あなたが所有している空き家がどんなポテンシャルを持っているか、空家のお医者さんに相談してみませんか?

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