見出し画像

「夜の声」の解説のような


なんでこの詩の最初は「金色」だったんだろう、というと、
太陽が沈む瞬間の強い光とか、
金星の一等輝く日の色は金色だな、と思いまして。

私が最初に紫の雲、空を感じたのは、
Coccoさんの『焼け野が原』の歌詞ででした。
“雲はまるで燃えるような紫”
それはなんてきれいなんだ、と何度もその情景を思い描いたので、
実際にはそんなきれいな雲も空も見たことはないのですが、
夕暮れから夜に渡りゆく空の色に思い出す色になっています。

そんな感じで色から走り始めた詩です。


【金色だ
 紫だ
 明るさは抜けていき
 地面を染めて沈んでいく
 今明けていく方へと流れるからだ

 濃紺の
 絹が降りてくる
 細やかなその生地の隙間
 あれは かみさまの涙を隠す?
 それとも かみさまは覗いてらっしゃる?

 夜が私に声をかける
 やあ お帰り お帰り
 まるで私が家出をしていたみたいな言い様で
 それはやさしく声をかけてくる
 あまりに親しい暗闇に瞳は光る

 また行ってしまうのに
 ひっくり返された砂時計のごとく
 どんなに愛が深くとも
 ここに居るとは言えない声は
 あるままやさしく お帰り という】


この詩と直接関係はないのですが、
昔から「夜と昼」とか「月と太陽」とか、
関係は連なっているはずなのに、けして同じ場所にはいられないもののことを考えては勝手に切なくなっていました。

夜は色も音も少なくて、
さみしいかもしれない。

夜が本当に手を伸ばしたいのは太陽なのかもしれないし、
朝なのかもしれない。

そんなことを考えながら作った詩です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?