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「先生が殴るから、学校に行きたくない。」への対処は何が正しいの?

今朝のことです。

朝食を食べているとき、
次男(9歳)が突然涙ぐみ始め、
「先生に殴られるから、学校行きたくない」
と言いました。

不謹慎というのか、
親としての心構えが無い人間だからなのか、
それを聞いて最初に思い浮かんだのは
「あ、この前観て来た『怪物』みたい」
でした。
おいっ!

私は、
本当にちょっと親としての思考力というのか、
物事を受け取る足腰というのが、弱いのだと思います。
『怪物』みたい、と思い、次に考えたのが
「あの映画の中のお母さんのように、
子供の安全をまず考えるのが正しいのかな」
と、自分のなかに湧くべき感情が見当たらないために、
近しい状況の人物の行動を引っ張ってきて、
実行するために自分がしそうな行動と言葉を入れ込んで、
口を開いていました。

「それは具体的にどういう暴力なの」
「グーで叩く」
「つよさは」
「これくらい」
ばし、と少し重たい音がしました。
「じゃあ、それはどういう時に起こるの」
「宿題を忘れて、忘れた分のプリントをやってたら、
考えている僕の頭を叩いた」

うーん、、、

「わかった。じゃあ、先生には母から連絡帳にそのことを書いておく。
今日は学校いいよ」

でも着替えはして。
勉強もすること。
宿題はだしなさい。
ゲームと携帯はにいちゃんが帰ってくるまで母が預かる。
ということを約束し、
長男が出かけたあと、
もう一回話をしました。

次男はものすごく自分勝手で、マイペースです。
性格もいいとはいえません。
でも、それが彼の今なので私は何も言いませんでした。
宿題を忘れることが多いのも、
そもそもやらないことが多いことも、
忘れ物が多いことも、
知っていました。
声掛けはしましたが、
連絡帳を一緒にみて用意をするということはしませんでした。
二年生の前半はまだしていたように思いますが、、、

だって、親が用意したって子供はできるようにはならないから。
声掛けはするけれど、
確認も用意も、自分のために自分がするものだと私は思います。
だって、明日私がいなくても、
この人は生きていくのですから。
極端なことを言っているぞ、、、と思われるかもしれませんね。
でも、私にとってはこれが“本当のこと”なんです。

一年生だから、二年生だから、低学年だから、小学生のうちは、
幾つになっても子供だから、、、

そう言って、親という生き物は子供に構うことに説明がいくらでも付けられるものなんだと思います。
私が用意すれば話ははやいし、子供も怒られないのかもしれませんが、
それはいったい誰のための、どこへ向かっての前進なんでしょうか。

私は自分のことは自分でできるようになる必要があると思います。
苦手なことは、それがどれくらいできないと困るのか、苦手ならばこれからどうしていくべきなのか、考える必要があるとも。
料理が苦手なら、お惣菜でどうやって栄養を取るかかんがえてほしい。
掃除が苦手ならば、外に受注すればいいけれど、それをやってもらう上で感謝をわすれないでほしい。お金を払ったのだから、やってもらって当然とは思わないでほしい。
そんな感じで、苦手な、不得手なものは、どんどん外に頼るなり、諦めて他を代用していけばいい。
でもそれを考える頭は自分の経験でしか補えないとも思います。
今、失敗をいっしょに考えて解決してくれる後ろ盾がそばにいるうちに、
それをしていってほしいので、私はほぼ手は出しません。

そんなわけで、
朝のうちは勉強をするんだよ、
でもその前に、もう一回先生に殴られたのはいつが最初で、
それはどういうことをしていてで、
どれくらいの頻度でされているのか、
それはどんな理由で行われるのか、
話をしよう、
とそばに座りました。

次男は嘘をつきます。
けっこう平気で。
ちょっと突っ込まれたらすぐばれるようなこと、
その上バレたらめちゃくちゃ怒られると分かっていることを、
今楽をしたいという理由で嘘で誤魔化すのです。
なんて面倒な性分だ、、、と
何度思ったことか。
小さな嘘ならいいとか、
誤魔化せたらラッキーとか、
そういうことをしていると
「この子は嘘をつく子だから」
という目でみられるようになるし、
その前提で話を聞かれるということ。
本当のこと3割、嘘7割なら、
本当のことを言っていても信じてはもらえないこと。

「正直、君は嘘をつくし、
前例もあるから、
全面的にすべてを信じるとは言えないけれど、
母は親なので、君を守る責任がある。
先生と話をするためにも誠実に君は母に話をしてほしい」

その前置きをしたあと、
次男の言った話は、
概ね朝聞いた話と同じでした。
その理由についても次男なりに「これだろうな」ということは思う浮かべていたようです。

「わかった。
君が先生に対してしてきた忘れ物の多さは、
母だって怒るレベルだとおもう。
ただ、それと暴力は話のベクトルが違う。
君は怒られるべきだけれど、
暴力を受けるべきではなかった。
その話は先生とする」

と言っているときに、
家のチャイムが鳴りました。

モニターを見ると、
見たことのない男性が立っていて、
その首から下げられている名札に、
「ああ、学校関係のひとか」
と思い、ドアを開けると、びっくり先生でした。

先生は長男から連絡帳を受け取って慌てて来てくれたようで、
次男を交えて、
叩いたことに対しての謝罪をしてくれました。
そのあとで、
次男が最近は宿題を出す頻度が上がっていることにも触れ、
どうして怒られることになったのかの説明と、
二度とこういうことはしないとの約束を口にしていました。

あまりに対応がはやいので、
昨今の学校側と親との関係にはよっぽど繊細さが必要なのだな、と思ったり、職員室で大慌てで他の教師から「とにかく家に行って説明して、謝罪!!」と送り出されてきたのかもとか考えたり、
先生の子供への熱心な気持ちを想像する前に色々妄想が走ってしまいました。

先生の見た目が強面だったのと、
相槌が「うん」とか「はい」ではなく、
「あん」という感じだったのには、ちょっと圧を感じてしまいました。
ガテン系のお兄さんの後輩への返事がこんな感じだな、と。

教室の雰囲気が分からないし、
今謝罪の雰囲気をつくっているこの人を見て、
どう判断するべきか考えましたが、
「今から学校先生と行こう」
という言葉に、次男が頷いたので
とりあえず行かせることに。

次男が用意をしている間に
「うちでは、どんな理由があっても暴力はふるうべきではないし、
ふるわれるべきではない、と教えているので、
先生の方でもそのあたりは考えて欲しい」
ということは伝えました。

次男が家では元気いっぱいなのと、
朝も結局ご飯しっかり食べてたなということと、
日頃家ではパンツ一枚で動き回っている彼の体に傷などはひとつもなかったことを踏まえて、行かせたのですが、、、さてさて。
帰ってきてどうだったのかを聞こうと思います。


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