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「夢見たくらいで」の解説のような

夜に歩くのがとても好きで、
子供の頃には夜中に歩き回っていたけれど、
最近はそんなこともしなくなったな。
星が全然見えない、というのが大きい。

この詩に書いたのは、
たぶん昼間のことで、
何もかも放り出して、
携帯も財布も置いたままどこかにひたすら歩く、
という想像をしてみることがあります。

それがしたいときは、
大抵いいことも嫌いなものも引き千切りたい時なのだと思う。


【飛び出していけば
 帰ってこない
 という
 想像していた

 私はなんてお手軽で
 私はなんと単純な
 あたりも外れもないほどに
 簡単なつよさに憧れる

 歩きつづけて
 どうせ 疲れて
 泣きながら子供のような背中で
 それでも頑張って 帰ってくるんでしょう?

 歪んでいて 湿っていて
 少し崩れていて
 落ちた欠片は乾いて粉々だった
 私は溢れていて枯渇している

 ありきたりに明るくて
 ありったけに正直になりたい
 夢の姿に
 ぼんやりと泣き始めていた】


そうやって歩き出せたとしても、
きっと自分から帰ってくるのだと思います。

二連目は想像の「泣きながら」
四連目の最後の一行は事実。

相反するものが集まってできた私は、
崩れたり、溢れたりしながら、
全てを捨てて歩き続けることに憧れている。

そんな詩です。

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