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「黒い髪」の解説のような


子供の頃は、
市松人形の髪の毛に憧れていました。

黒猫の自信に満ちた毛並みにも、

烏の知性を象ったような真に遮られずに生まれた蔭の色に、

私はとても憧れていました。

だから、自分の髪の毛が本当に真っ黒ではない、
と知った時、とてもがっかりしました。


黒い
わたしの髪よ

真っ暗ではないことを
詰ったこともあった
先の方に進むにつれて片結びをする性根を
問い詰めたことも

だけど
私の髪

長く私を彩り
時に明るすぎる赤を跳ね返し
私をつよくしてきた

私の
黒い
愚直な髪よ

あしたも私の指に梳かせておくれ

「黒い髪」


大した手入れをするわけでもないのに、
それでも梳いたその指を滑らかに髪が落ちていく髪を、
愛おしくも思いました。

髪の毛には、力が宿る。
そんな風にも言われます。
願掛けをして、長く長く伸ばすことで、願いを叶える一端となすというような考えも。

だからか、私は黒い髪の毛も好きですが、
長い髪の毛も好きです。

どうやら私はおカッパくらいが似合うそうですが、
私は当分この髪の毛を伸ばしていく予定です。

なんだかんだ、私の感情を吸い取って伸びていくようなこの髪が、
やはり私はとても好きなのです。
そんな髪の毛のための詩なのでした。

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