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「夜の淵」の解説のような

深夜、その時間を書きたい。

そんな気持ちで書いた詩です。

【夜が恐かったわけじゃない
 私を奪うものが恐かったの

 星は矢となり 夜を射る
 夢よ醒めろと月に刃を突き付ける

 暗闇は恐くなかったよ
 何も拒まず描かせてくれるから

 あなたを知って恐くなったのは
 あなたを失うかもしれない これからの全て

 私は凍らなかった
 冬の悲鳴は長く伸びない

 夜が深く深く歩かせるのは
 冒険でも亡命でもない

 私は私の息に吹き飛ばされそうになりながら
 意識の淵を歩いて行くの】

あなたを知って、からの一連が気に入っていないような、
でもこれが無いと困るな、というような、
詩って不思議です。

小説のほうがこだわって書いているような気がするのに、
小説なら「こう直して」って言われたら
「あ、はいはい」って直していけるけれど、
詩は「ここはこうしたほうがいい」と言われると、
ちょっと自分の方に踏ん張る力がこもってしまいます。

小説は嘘を積み重ねるから、
どんなふうに積むかを変えたらいいけれど、
詩は短いあまりに、
自分の心の、命の、そのままを直接に書いているつもりなので、
何故それを直されないといけないのか、
と思ってしまう。
それは傲慢なのか。

そんなことを考える詩を書くも知れないなと思います。

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