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浮石に会いに行きました

じろうさん(夫)が家にいるうちに、どうしても行きたい場所がありました。

何年も前に、一回だけ行ったことがあった神社。
その時はじろうさんがYouTubeで見て気になったと言っていくことになったのでした。
『日本三奇』と呼ばれる場所の一つで、
高砂市にあります。
(江戸時代の医者、橘南谿が記した書物の中で、“3つの奇跡”と紹介したことから「日本三奇」と呼ばれるようになったそう。
この時代にはあり得ない技術で作られた奇跡のような建物、と言われているらしい。建物、という括りにこれが入るのが不思議だけど、奇跡というのには頷けるなと思います。)

『生石』と書いて『おうしこ』と読むのだそう。
説明文読んだ次の瞬間には読み方が分からなくなりそうな名前だな。

神様が石の建物を建てようとして、
諦めた結果、
これだけでも残そうか、と置いていかれた岩で、
(ざっくり言い過ぎかも、、、)
下側のくりぬき方が浮いているように見せることから『浮石』と呼ばれているそうです。
最初、じろうさんにそれを聞いてもよく分からなかったことを思い出しました。
「え?別に浮いてるようには見えないよ」と。
最初見た時、私はただただ「岩だ」と思ったのでした。

あれから何年経ったのか、
急にまたあの岩が見たくなりました。

見に行きたいというと、
二つ返事で了解がきて、
今日行ってきました。

神社に行くまでの道々も緑が鮮やかで、
とてもきれいでした。
光る緑。
目が洗われているような。

神社は駐車場もあって、
観光のコースにもなっているようで、
私たちの前には年配の方々がガイドさんに説明を受けながら
興味深そうに岩を見上げていました。

本当に大きくて、
全然写真に納まらない岩です。

団体さんたちが先に見ていたので、
私は先に上の岩の上が見える階段?を登り、
そのまま山の上まで上がり
(ゆっくり登るじろうさんを置き去りに、
私はうわーっと上がっていきました。
こういう場所は体力と運動能力が上がります笑)

クマバチがぶんぶんと飛んできて、
二匹がぐるぐるとまわりを飛んでいました。
その子たちに連れられるように奥へ奥へ歩いて、
登って、
ここだ、と思った場所で目を閉じると、
下のみずうみから上がってきた風が冷たくて、
すんなりと体内が透明になりました。

しばらくの間は、
もう少しみずうみの近くによって座り込み、
そのままじっとしていました。
山の、岩の、表面に加えてもらったような状態で、
内側の流れに繋がっていろいろなものを押し流してもらったように思います。
木にそうするのとは全く違う、
大きくて、つよい。
ちからづよいけれど、
いやな感じはまったくしない押し流し方でした。

このままだと二時間は動かなくなるぞ、と思って立ち上がり、
じろうさんと再び下へ。

写真を撮り逃しましたが、
岩の上に茂った木々もきれいでした。

岩に回っているしめ縄に草が芽吹いていて、それがとてもきれいでした。
この写真の何十倍も鮮やかなんです。
岩の上の植物がちらり。
この岩の上に乗ってみたい、、、

ちょうど人がいない時間があって、
岩と静かに対面することが出来ました。
前にあったときよりも、
私は感度があがっているぞ、と自分でも分かりました。
私は感覚的にそれがどう思っているのか、要求しているのか分かる気がしているのですが、その時は岩が「触って」と私に向かっている気がしました。
なので両手を差し出したのですが、
瞬間、
ぐにゃっと、
やわらかくて低くあたたかいものが両手を握り合わせて、呑み込み、
やさしくゆらしてくれました。

ああ、なんだか気持ちいいなぁ。
とそのまま少しゆらゆらしていました。
それがそのうちそっと引いていき、
私は自分の両手を下ろしました。
そのあともう一度手を差し出してみても何も起こりませんでした。
もう十分私には渡されたのだろうと思います。

ちなみにじろうさんにも手を差し出してみてもらったのですが、
じろうさんは「じんじんする」だったそう。

満足したので帰りに干支おみくじを引きました。
私は兎年。
(なので私の部屋には猫の次にうさぎの飾りが多いです)

待ち人は「来るけど遅い」
病は「ゆっくり養生」
吉を引きました。
入れ物の兎がかわいくて嬉しかったです。

ちょこんと感。

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