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情景と心理、描写が手の平ひとつに、凝縮されて

この前の文芸会で、
「川柳の先生が教室をはじめます!
よかったら来てください!」
という呼びかけがありました。
その日が今日だったのですが、
行こうか、どうしようか、物凄く迷っていました。
体がしんどかったし、
自転車だし、
暑くなりそうだったし、
私川柳って作ったことないし、、、
とか、行かない理由をいくつも並べて鞄を前に座り込んでみましたが、
「いや、こんなきっかけでもないと触れないかもしれないな、行こう」
と立ち上がりました。
この選択が大正解。

誘ってくれたひとは、「人がくるかな、、、」と心配されていましたが、
全部で7人の方が教室に集まりました。

おお、みなさん、川柳を作っているひとなのかな、、、と思いつつ。

はじめに先生から、
川柳と俳句の違いや、作るときの背骨がどこになるのか、
川柳には「穿ち、軽み、笑い」が大切、
などの基礎的なことを教えてもらいました。
これがざっくり一時間くらい。
その後、先生がお題を出して、
それに対して一人ふたつの句を書くことになりました。

はじまってすぐに配られた先生の作品があまりによくて、
それを読めただけでも来てよかった!と思っていたのですが、
お話を聞きながら、どうしても我慢できず見よう見まねで、
私は書き始めていました。
お題を出されてからも、
楽しくて、ひとりで五つくらい書いていました笑
先生から「できたひとは裏返して出してください」と声がかかり、
それに私は一番に置きにいきました。

いつものことですが、
こうして渡してから、私の後悔というのか、ひとり反省会ははじまります笑
あれ?本当にあれでお題に沿ってる?
大丈夫?ちゃんと考えてた?
楽しくて浮かれすぎてない?
と、怒涛の尋問が、、、
変な汗をかきだしていました。
もっと見直ししてから出しなよ、、、と。

みなさんの分が出そろい、
先生が手元の短冊をシャッフルして、
それを順番に読み上げていきます。
先生はかなりお話も楽しい方で、
「名前は名乗らなくていいですよ~」
と言いながら
「新聞の投稿欄に載せたほうがいいものがあれば言いますので、
そしたら名乗ってください」
と言って教室を笑わせていました。

さあ、先生が読み始めて私の心臓はどうなったかと言いますと、
もう逃げ出したいくらいでした!
だって、みなさんは、日常の、自身の生活の一場面を詠んでいて、
やばい、私そんなんじゃ全然ないぞ、、、と
また変な汗が、、、

それも、先生のシャッフルの具合か、
私の籤運のなさか、
私の句は最後から3番目とラストになりました。

あ、読まれる、と思った瞬間は音が飛びました。
気絶しなくてよかったです。(本当に)

ああ、絶対なんだこの句は、と言われる。
そう思ったのです。
そしたらびっくり、先生が
「これは新聞の投稿に乗ります。誰ですか」
と言われたのでした。
褒められたのに、びっくりしすぎて、なんだか怒られるひとのような手のあげ方をしてしまいました。
先生は、発想の広げ方を褒めてくれ、
言葉の独創性を褒めてくれ、
でももう一息な気がするから帰りに詰めよう、そして間に合うから出そう!と。
もう頭がいっぱいでした。

教室が終わってから、
先生と二人、短い時間ですが句をもう少し練ることができました。
せっかく勧めてくださったので、出してみようと思います。
(なんと明日には出さないと間に合わないという笑)

その後もラインでやりとりをしながら、
私のつたない句を魔法のように直して頂き、
言葉のプロだ、と感動してしまいました。

そんなわけで、
今日から川柳も学んでいこうと思います。
新聞に投句するものは未発表のもの、ということだったので、
出さないものと、先生の作品を読んで我慢ならず書いていたものを置いていこうと思います。
先生に直していただいたのを見ると、
私のは、ただ短く言葉をくっつけたものだな、と。
短くしただけで、ぼんやりと淵が滲んでいるような気がします。
先生に直していただいたものも一緒に並べておきますので、
読み比べてみてください。
先生、本当にすごいです。

お題『午後』

私  同情の色は濃くても甘い午後

先生 同情の色の淡さを残す午後


私  むらさきだ指先落ちる遠い午後

先生 指先に落ちるむらさき遠い午後


お題無し(こっちは先生に見せていないので私のだけです)

肉付けを拒んでいるのは青い骨

剥いでいく思いはどこまで染み深く

骨を噛む早く死んでとあなた見る

ドアが開く母と呼ばれて割れる背は


説明になりすぎない、散文にしない、と、
詩と小説、小説とブログ、ブログと感想など、
どれも使う筋肉が違ってくるものですが、
川柳は全く使ったことない部分だ!というのがあって、
脳みそが筋肉痛になりそうです。
(実際変なところがつりそうになって焦りました)

でもめちゃくちゃ楽しいです。


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