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「ことば」から「落ちたらどうなる」までの解説のような

もうこの形が定型化している「詩の解説のような」のnoteであります。

絶えません
絶えませんが
建前はゆがみます

読み上げません
読みあげるのではなく
呼び立てます

言葉は飛び
こころは放たれ
詩は音に軽くなるのです

「ことば」

人の口から放たれた言葉が、
どんどんと色を薄くし、
かろやかに舞い上がっていくのがうつくしいと思います。

そろりと夜
誰の名も持たずに

果ては鳴りましょう
何を問いましょう

つるりと降る
あのひとを待てずに

遠い日々を曲がる
色を染み出せば

こうこうと行く
道の底を行く

「道の底」

誰にも見当たらない場所でかくれんぼをしているような気持ち。
そうやってずっと遠くへ。
静かに規律を踏み外すのでしょう。


あの空のあのあたり
瞳のようね
あなたを見つめているよう

「ひとみ」

空を見ていて、
思わずこの会話が頭のあたりを通り過ぎていったのです。
どこのあなたでしょうね。


町では 今日も
あの子はパンを齧り
あの人は新聞を開き
あの影は身体を探している

「まち」

どこの街にでもある風景。
少し赤が差し、
少し焦げた茶が射す。


生も死も
同じ一雫
こぼれては
背筋を打ち
染みては
また流れの中へ
この身を離れていく
おぼろの身の滴り

「一滴」

ここに生きるその事実こそが偽りや幻のようなもの。
そこを通り過ぎることは、意志のそのもののすがたで。


貫かれる
意思も持たないものに
堂々と
貫かれる
穴に穴を開けようとする

空けられるものならば
空けてみてくれないか
私もとうに触れなくなった
胸の肉

貫いてくれ
そこにまだ生きた情が通い
穴でしかないものではないと
両手では足りない
ナイフも
フォークも
スコップも
手あたり次第だ

貫いてくれ

「貫く」

ただ穴が空いているだけならば、
そこに埋まるものならば、
貫くものでもよいじゃありませんか。

海を渡る
橋の途中の
不可思議さ

甘いような青を湛え
甘いような光たりえ
どこまでも手を伸ばさせる

光の雨の包み込む
おだやかな潮の
慎み深さよ

海を渡る
その途中の
言葉を浮かせる不可思議さ

「橋を渡る」

橋を渡るその途中に編んだ詩でした。
うつくしい夕景と、
さみしくなる空の青、
暑くてとても静かな時間でした。


幻のような月に染められて
まどろむ瞼のなめらかさ
白々とかすむ
光が蝶のように舞う
夢と現が織り合った世界
私はつむった目で
幻のような目を視る

「まぼろしは月に染むる」

閉じた代わりに開いていくものがある。
それは体にも、心にも、空の上にも。

ソトソトと歩いていく人 火と
コパパ コパパ と話す人 非と
かわいらしくて
かわいそうで
重い靴が一番音を響かせる

楽しいことは
軽々と見せられること
うれしいことは
少しばかりしめりけがあって
愉しいことは
たましいの光りで色が分からない

歩く
歩くひとたちを
音で観て行く

どうかもっと大きな音を響かせて

「ソトソト」

音遊びにはじめたはずが、
弾んでいくうちにどんどんと音を立てていく詩になりました。

くるわないか?
とささやかれ
焼ける手品の種を見た
瞳を合わせても分からない

ひとりで

それだけを口にした私を
影が真っ直ぐに離れた
私が求めているのは手品の種の燃え滓じゃない

くるうのならば
口端から指を指し込んで勢いよく裂いてやる
再利用のパズルをさけては
赤くなるだろう

ひとりで

「ひとりで」

くるいたいならお一人で?


高いところから 落ちたら どうなるの
やわらかなやわらかな 花息吹

もっと高いところから 落ちたらどうなるの
哀れみの天使の羽が舞い散るの

空を忘れてはるか遠くから 落ちたなら
どうするの

一瞬で星を越え
一滴の器へと
時を超える

私はここにいるわ

「落ちたらどうなる」

落ちていく意識の中、
輪廻を巡ってここへまた落ちてくる。
それを星を越えて私は辿りつくのです。


明日続きを書きますのですよ。

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