『クラブとして目指す姿はどこにあるか』を考える

いよいよ2022年のシーズンが開幕。ギラヴァンツ北九州においても天野新監督のもとトレーニングが行われ、シーズン開幕に向けての準備も佳境に入ったころだ。

年始の社長あいさつや新体制発表会を見て期待と共に多少の違和感を感じることがあった。

これが『クラブとして目指す姿はどこにあるのか』というタイトルである。

例えば走り負けないとか、超攻撃的な攻撃布陣とか・・まぁこのあたりはあくまでもトップチーム監督天野さんの仕事であるし、戦術なんて正直自チームの編成と対戦相手次第で変わるのでここで論ずる話じゃない。

地域密着とかそういう事についても同じで、当然どこのクラブもやってることだしその手段が地域の事情で異なるだけの話である。

ここでいう『クラブとして目指す姿』はJリーグ全体を見渡して短・中期的にに目指す姿が見えてこないのだ。

上を目指していくクラブ(優勝・昇格を狙うクラブ)ならば、即戦力・実績ある選手や指導者の補強になるだろう。一番の近道は資金を上げる。J3で言えばDeNAが経営参画した相模原や個人資産で増資した岐阜さんパターンである。

もちろんチーム人件費比率を(一般的に総収入の40%と言われる)を引き上げるという手もあるが、当然失敗すれば債務超過で存続危機ともなる。

近年大きな資本が参入してきていて、数年前までは市民クラブでもJ1に手が届く状態だったのが、とくにDAZN参入後からはその壁が高くなってきていて、資金的な面での序列がはっきりし始めてきているなぁと感じる。そもそも過去10年でJ1初昇格を果たしたのが、徳島、松本、長崎しかない。そして長崎や福岡の一件から、上を目指すなら意欲的なオーナーについてもらうのが最近の流れとなりつつある。

もう一つは若手を育てて売るクラブとなる。J2なら水戸・徳島あたりかな。ただ、水戸や徳島は何年もかけて有望な若手を育てた実績があるので、実績がないクラブはまず育てる実績作りからである。もちろんユースを強化するという事もあるが、ユースの強化は正直資金の差がもろに出る。神戸や鳥栖はお金をかけれた時期に強化出来てるわけで・・・。

ギラヴァンツは今年からユースの強化や育成の強化を前面に押し出した。正直10年以上はかかるだろうし、小林SDがいつまでいるかわからないから指導者の強化もいつまで続けられるのか不安ではあるがクラブの色がちゃんとつくまでしっかりやってほしいと思う。

一般的な会社で社長がころころ変わったり、本社所在地や取扱商品がころころ変わったりすると取引をためらわれたりするのと同じように、クラブの色がころころ変わるとなかなか有望な選手を預けてくれなくなる。Jリーグ所属クラブだからといって選手が来てくれる時代ではない。J2やJ3クラブよりJFLのホンダやオーナーのいる社会人クラブのほうが給料的にいいパターンもある。

監督やGMが変わるたびにリセットしてばかりではいけない。育ててもごっそり抜けるから・・なら抜けれてもいいくらい育て甲斐のある選手入れればいい。そういう若手を探し選手のご家族含めて理解を得られる体制を構築してほしい。当面は若手の登竜門的なチームという色にするならば、そういう色をきちっと出せるようになってほしい。その色が出来上がってからまた次のフェーズに移行すればいい。そういう目線で見守っていこうと思う。



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