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水冷工場への道 その7

さあついに放熱フィンを作る時が来た。従来の井戸水クーラーは銅パイプにラジエターのような放熱フィンがついているのだが、ちょっと構造が大変なので違う形の放熱フィンを新規に作ることにした。昔ボクは弱電の技術者をしてたことがあるのだがこの時のICとかに取り付けていた放熱板のデザインを参考にした。熱(冷気も同じ)は物質の表面から放出される。なので表面積が多いほど性能的には有利である。

電源ICの放熱板

これを筒状にして水を通す形にすればいい。ただあまりフィンの量、長さとかを増やすと押し出し成型時の抵抗が大きすぎて成型が難しくなるのでその辺のバランスが難しい。で、早速fusion360という3Dソフトで絵を書いてみた。求められるスペックは内径が22φ、肉厚は薄い方がコスト的に有利(アルミの使用量が減らせられる)それとフィンは長い方がより放熱効果が得られるが限度がある。アルミ屋さんといろいろやり取りがあって、これが最終の形となる。3回ほど書き直したかなあ。

放熱フィンの作図

で、さっそく3Dプリンターで出力してみた。まあまあこんなもんやろ。

3Dプリンタで出力してみた

使ったプリンタはこれ。3万円台の安物だけどこれで十分だ(時々ゴジラとかも出力したりするw)

3Dプリンタはアマゾンとかで誰でも買えるけどソフトを使える人は少ない。でもいったん習得するととても便利なものだ。今までにもキーホルダーとかスペーサーとか本業のスクリーン関係の新規部品とか引き出しの持ち手とかもふんふんと簡単に作ったり… まあいいわこの話はw
で、最終出来上がったのがこんな形。最終的にフィンの形状はアルミ屋さんリクエストで少し変更に。まあ特に問題はない。

アルミ製放熱フィン

ボクは本業でもでもアルミパイプとを使っているのでアルミ屋さん(押し出し成型屋さん)とはつながりがある。図面さえ作れば製品化する事が可能なのは良かった。

さああとは組み込むだけだ。

続く

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予告:水冷工場の結論概要

(最終回は10話目くらいです。数字は最終回に発表しますが少し変わる可能性はあります)
1.設備投資額 約1,000万円
2.水冷冷房にかかる電気代 約3,000円/月
3.水冷冷房による地下水くみ上げ量 ごく少ない(6.5立法メートル程度/日)
結果: 真夏(7月)でも250坪の工場全てのエリアで室温が25-28度に保たれるようになった。


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