水冷システム 新聞での紹介 2023年 3月16日
先日の発表会について地元の福井新聞、日刊県民福井が分かりやすくまとめていたので紹介します。
冷房電力 -95%減 井戸水利用システム検証
映写スクリーンなど製造販売のシアターハウス(本社福井市石盛町、勝村勝央社長)と県工業技術センターは15日、同社工場設置した井戸水利用の冷房システムの検証結果を発表した。水冷システムと遮断熱シートを併用することで、夏場の冷房使用電力量を平均約95%節約できたとしている。同社の吉村会長は「電気代が高騰する中、節電効果の高い取り組みとして多くの人に知ってほしい」と話している。
工場は木造平屋で2021年7月に新設し、吉村会長が考案した水冷システムを整備した。延べ床面積約820平方㍍で事務所、作業場、倉庫の3ブロックに分かれている。
深さ約50㍍からくみ上げた地下水を、作業場に設置した「放熱フィンパイプ」79本や床下の管に通水し、室内の
空気を冷やす仕組み。地下水は年間通して水温17度前後で、省エネ効果を高めるため天井や壁などに遮断熱シートを設置した。システム設置費は約900万円。
同社は21年7月~22年9月末、県工業技術センターとともに工場内の温度や湿度、使用電力量などを調べ、省エネ効果を検証した。
同センターの奥田広行主任研究員らによると、井戸水の流す量や時間など効果的な運用方法を検証した結果、22年7~9月末の工場内の平均温度は24~27度を計測。冷房設備の使用電力量は1日当たり平均12㌗時だったという。
空気調和・衛生工学会が定める基準に沿った冷房設備を使用したと試算すると、平均290㌗時が必要となり、約95%の省エネ効果があるとした。
吉村会長は「検証によって一定の省エネ効果があることが分かった。環境配慮型の取り組みとして、県内の企業にも導入を勧めていきたい」と話していた。 (終わり)
井戸水水冷システム、遮断熱シート
エアコン消費電力年間9割削減効果
県工業技術センターと映写スクリーンを手がける「シアターハウス」(福井市石盛町)などは十五日、同社が導入した井戸水を利用した水冷システムと遮断熱シートの効果発表会を同センターで開いた。両者を合わせた効果で、従来型の規格の建物でエアコンを使用した場合より、年間のエアコンの消費電力量を九割削減できたという。
同社は二〇二一年七月、新社屋に水冷システムを設置した。敷地内の井戸水から一年を通して十五~十八度の水をくみ上げ、屋内に取り付けた放熱フィンパイプを通し、さらに床下のホースを通して冷やす。
社屋は木造平屋建て(八百二十平方㍍)で、同センターとともに、二二年九月まで効果を検証した。
センターの奥田広行主任研究員によると、空気調和・衛生工学会が定める従来の標準的な規格の建築、設備の建物に比べ、水冷システムと遮断熱シートの効果で夏場にはエアコンの消費電力が95.9%の節電になり、年間の消費電力量が約一割にとどまった。
吉村会長によると、同社の電気代は、冷暖房を使わなかった二一年十一月四万六千七百円、最高額の二二年八月が六万四千円。差額の一万七千三百円のうち八百十円は水冷システムの地下ポンプの電気代で、八月のエアコンの電気代は一万六千五百円に過ぎなかったという。
吉村会長は「これだけの広さの建物としては驚くほど低額。工夫すれば省エネはまだまだできるので、もっと取り組みが広がってほしい」と話していた。 (終わり)
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