JR西日本の特急料金値上げについて

来年4/1よりJR西日本でB特急料金の廃止および岡山~新下関間での乗継割引廃止が発表された。

ちなみにB特急料金エリアは以下の通りとなっている。参考にしてほしい。

https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/assets/img/express_tickets/b_tokkyu.gif

収支改善の一環として認可が必要なく値上げできる特急料金を値上げするのは一つの選択肢として考えられる。しかし、A特急料金は全国共通となっており簡単には上げられない。(単独で上げると例えば敦賀~大垣より敦賀~米原が距離が短いのに高くなるというような矛盾を引き起こしてしまう。)そこでB特急料金や特定特急料金の値上げが選ばれたのだろう。また特急料金を2体系から1体系にすることで分かりやすくすることを狙ったのだろう。またe5489やJWESTカードを使ってもらいたい狙いもあるだろう。

次に岡山~新下関間での乗継割引廃止の件についてだが、まず対象となる特急を見てみよう。なお、「WEST EXPRESS 銀河」は割引対象外である。

  • 新山口 - 「スーパーおき」 (~鳥取)

  • 岡山 -

    • 「サンライズ出雲」・「サンライズ瀬戸」(~東京)

    • 「サンライズ出雲」・「やくも」(~出雲市)

    • 「スーパーいなば」(~鳥取)

    • 四国方面各特急

このうち四国方面についてはJR四国と利害が一致したのが要因だろう。(JR四国でも新幹線+マリンライナーやサンライズ瀬戸を介した乗継割引が廃止される)では中国方面はなぜ廃止されるのかそれは逆に相生~米原がなぜ残るのかを考えるといいだろう。

まず姫路~新大阪については上記のB特急料金値上げもあるのでさらに値上げするのは得策でないという判断であろう。また、主に使われるのはe5489を使いづらい(JR東海の駅ではJR東海エリアを含む予約しか受け取れない)東海道新幹線沿線からの乗り換えであるため(大阪市や神戸市民はおそらく普通に特急に直接乗る)、JR東海との調整がつかなかった点が大きいかもしれない。(勿論、普通回数券みたいに後追いで発表される可能性もないわけではないが)京都や米原は今度延伸する北陸新幹線がらみも原因であることは否定できないであろう。また関西圏は中国地方より収支が良いのも要因として考えられるだろう。サンライズについても仮に新幹線に乗り換えて福山方面に行く場合、在来線特急料金は同じなので岡山乗り換えよりも姫路乗り換えのほうが特急料金の収入が増えるのである。

でものぞみ値上げと合わせて中四国地方の利用者にはつらいかもしれない。もしかしたら高速バスなどに流れる人もいるかもしれないが、e5489をうまく活用して少しでも値段を抑えるといいだろう。(JR西日本もおそらくそれを望んでいる)北近畿や南紀の利用者にとっては全車指定席化に次ぐ負担増になる。これで懸念しているのは、速達性があり新幹線料金の値上げ対象とならない「さくら」(8両しかないうえに、指定席が横4列)に集中しないかという懸念がある(それが原因かパックツアーでは「さくら」「みずほ」では追加料金を取るものもある)。またほかの交通機関に流れたり短距離を中心に特急を使わなくなり特急料金収入が減る懸念もある。こればかりは実際にやってみないとわからないところもあるがやはり鉄道に対して何らかの支援が必要な時期に来ているのかもしれない。




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