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秋田のバスケットの未来を (1/2)

○プロローグ


ふと思う
バスケットに本気で向き合おうとしている人は
どれほどいるのだろうか

選手はもちろんチームスタッフや指導者
支える家族の存在から
応援に情熱を捧げるブースター
チームのために奮闘する運営の人たち、
それらを含めてバスケットを発信する人たち

様々な存在が思い浮かぶ


例年よりも早く桜が咲いた今年の春
留まる間もなく
若葉が生い茂る頃には
ハピネッツの昨シーズンが終わった

鮮やかに生い茂る新緑の色合いを
今年はあまり覚えていない

シーズンが終わるとは、
チームが来季に向けて生まれ変わることを意味する

ずっと応援し続けた選手が
ハピネッツを離れる決断をした



移籍の覚悟はあった
だからこそ、本気で応援しようと決めていた

それでも、いざ目の当たりにすると
どうしようもない喪失感に襲われては
ぽっかりと穴が空いてしまった


○ノボルたちが開催したイベントから科技高を知る


時期を同じくして、

ハピネッツに所属している
我らが長谷川暢選手をはじめ
能代工業OB、そして現役Bリーガー、大学生の選手たちが
旧能代工業、現在の能代科学技術高校で
イベントを行った

広々とした科技高(能代科学技術高校、略)の体育館を一階、二階と
隙間なく観客で埋め尽くされた光景は圧巻だった

今年で二回目となるイベントは
間違いなく大成功に終わり、
今後への期待と注目を集めては

能代の街を盛り上げたい
子どもたちにバスケットの素晴らしさを伝えたい
科技高が全国で勝てるように力を貸したい
いろんな人に今の科技高を知ってもらいたい

そう願って開催したノボルたちの気持ちが
たしかな形となって、
これからに繋がるものになったと思う

昨年は参加出来ず、
今年が初参加となったため
今回のイベントが
科技高を知る初の機会となった

正直、もっと早く科技高を知りたかった
もっと前からこのチームを見ていたかった

秋田でバスケットをするならば
つねに能代工業の存在がある
当時の記憶を辿れば、
高校生ながら
精神的にも、肉体的にも削ぎ落とされた
雰囲気から他を寄せ付けず
近寄りがたいほどの独特なオーラを持つ
圧倒的な存在であった

学校や体育館内の
そこかしこから
伝わってくる伝統の数々に浸りながらも、
イベントで目にした
科技高のチームは
プロ選手を相手にすることや
大勢の観客の前でプレーする緊張感がありながら、
とても楽しそうにバスケットをしていた
この印象が能代工業に抱いたものと
科技高で大きく異なる部分かもしれない

何より、ハピネッツや能代工業時代にも共通する
前線からディフェンスで当たっては
相手のターンオーバーを誘発し、
トランジションの速いバスケで
怒涛の展開に持ち込む
いわゆる“秋田のバスケ”や
ファーストオプションを
スリーポイントで狙っていくという
攻撃的なスタイルが
見ていて面白く、わくわくした

選手それぞれに良さがあって
見に行くたびに新たな発見があったり、
驚くほどの急成長を感じることができるのは
高校バスケの魅力なのかもしれない

何より、真っ直ぐで素直な選手たちと
真剣であるからこそユーモアと可愛らしさを忘れない先生、
バスケットへのほとばしる情熱を持ったコーチたちが集まった
このチームを応援したいと思った

科技高の魅力に心を奪われて、
その後に行われた
県大会、東北大会、練習試合、二部練習まで
見に行くほどに
彼らの魅力にはまってしまったことは
いよいよ迫り来る
ウインターカップが終わってから
また改めて、振り返れたらと思う

○秋田のバスケットの未来を考える

ノボルたちが作り上げてくれた
イベントのおかげで科技高を知ることが出来た

同時に、子どもたちが
秋田でバスケットをする現状を
考えるきっかけとなった

ノボルはよく
「秋田でプレーしたい 秋田で勝ちたい」
と口にしてくれる

本当に有難い言葉だと噛み締めている

この土地でバスケットをしたいと思ってくれることは、当たり前ではないのだから

小、中学校と有望な選手たちは
県外の強豪の高校へと進路を希望し、
そのまま秋田から離れてしまう

もちろん、選手として
上手くなりたい、上を目指したいと思うのは
ごく自然なことであり、必要なことである

ただ、秋田から離れてしまう現状を
とてもさみしく思う

秋田でバスケットをする魅力はないものか

ぼんやりとながらも、
フォーカスの対象を
バスケットをする子どもたちへと
向けるようになっていった

今になって思えば
絶望的なオフシーズンの始まりから、
必死に希望を見い出そうと
模索していたのかもしれない




(2/2)に続きます

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