「どこからどこまで爪」問題

大学生の頃、爪はどこからどこまでが爪なのかで大学生の頃に友人と二人で議論(?)したことがあった。片や「根元からピンクに見える部分が爪」といい、片や「先の白い部分が爪」だと言った。

自分がどちら側だったのかは、正直覚えていない。それぐらいどうでも良いことだったのだと思う。でも僕としては「白い部分が爪だったら爪切りで切ったら爪無くなるじゃん」ぐらいの発想はあったように思うので、「根元からピンクに見える部分が爪」派であったと願いたい。

「ピンク部分が爪」派は機能的には爪は「指の先っちょの方を守るもの」ぐらいのものだと考えていたのだと思う。カバーとしての爪みたいなものだ。


きっとこれに対して「白い部分が爪」派は、爪は物を掴むためのものだったり掻いたりするものだとか言っていたのだろう(ちなみに実際に話した中身はほぼ覚えていないので、今考えて書いている)。


こう書くと「白い部分が爪」派の方が正しいようにも思えてくる。どうして爪切り基準で考えてしまったのだろうか。正直機能の方がよっぽど大事だ。「指の先っちょの方を守るもの」ってなんだ。自分で弱点作ってそれを守る爪を用意するってなんだかマッチポンプみたいだ。


それに「ピンク部分が爪」派だったとしたら、「じゃあ爪切りで切っているのは何なんだ」ということになる。爪切りは爪ではない余計なものを切っていて、爪を切るのではない。ワケが分からない。「爪切り」が「爪切らず」になってしまう。


これ以上は考える気にならない。考えても仕方が無い。実際に話している時、一緒にいた別の友人に唐突にトドメを刺されたからだ。


「いや、二人の言ってる部分を合わせたのが『爪』ね」


冷静なツッコミだった。その場で話した内容の大半は忘れていたけれど、この一言と、その呆れた顔は鮮明に覚えている。


グーの音も出なかった。とりあえず「それを言っちゃお終いだよ」という万能な逃げ口上を発して最低限の面目を保つ善後策とした。効果があったかは不明だ。


最近僕の爪を見た人から「栄養が溜まっている根元の部分(甘皮)が全然無い」と言われた。年齢のせいかなとも言われたが、正直ショックだった。


爪の話をしていたのは大学生の頃、それも1年生だったと思うが、それからは12年ほど経った。干支も一周。爪問題も新しい周期を迎えようとしているようだ。

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