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5次会疑似クラス招集【毎週ショートショートnote・裏お題】

実に、30年ぶりの同窓会だった。
これだけ時が経つと、もはや誰が誰だか判らない。
そのくせ名乗れば、自然に当時の面影が浮かんでくるのは不思議なものだ。

一次会のパーティが終わる頃には元のクラスも関係なく、あちこちで話に花が咲いていた。

「二次会、行く人ー!!」

幹事はアイツ、田原とかいったな。
よく知らないけど、確か隣のクラスだった奴だ。

大勢がこぞって手を挙げる。

二次会は居酒屋。
三次会はカラオケ。

さすがに人数も減ってきたが、それでもまだ次があるのは驚きだ。

四次会のバーもお開きの頃、田原がにやりと笑って声を潜めた。

「おい、残った面子でいいとこ行かないか?」
「へへ、やっぱ女の子?」

馬鹿野郎、と俺の頭をはたいた田原が先頭を闊歩する。

「クラスの隔てなくここに集った君たちは、まさに級友そのものだ!その絆を噛みしめて禅を組めえええ!」

古ぼけた寺の本堂で、俺たちは寒さに震えながら禅を組んでいた。

だって知らなかったんだ。田原が坊主の家の息子だったなんて。

(419字)


【あとがき】
たらはさん、新年早々飛ばしまくってますねえ……
何ですか、この妙ちきりんなお題は。
いやそもそも「どんなお題でも書けます」的なことを言う人がいるからこんなことに(涙)

*この記事は、以下の企画に参加しております。

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