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宝くじ魔法学校【毎週ショートショートnote】

「今日はジャンボくじを当てる練習をしましょう」

教室にタラハクジ先生の声が響いた。

ここは『宝くじ魔法学校』だ。
だがかの有名な某児童小説とは違い、この学校には重厚な大広間も、無限に出てくる豪華な夕食もない。
あるのはただ、様々な型の抽選機だけだ。

この学校では「自分の選んだ番号を当選させる」という魔法を習得する。まず自分のラッキーアイテムを身につけ、狙った数字を機械に選ばせる訓練をするのだ。

「3・8・5……また外れたっ!」

犬が悔しがって地団駄を踏む。

「君のラッキーアイテムが弱いんじゃないかな。ま、犬なんて骨ぐらいしか持ってないんだろうけど。それに比べて僕は小判だからね」

金色の小判を手にした招き猫がほくそ笑む。

「うるせえ、俺は歩けば当たるんだよっ!」
「それはくじじゃなくて棒だろ。それより彼女を見習いなよ」

見ると一人の女子生徒が、矢を射って次々と番号を的中させている。

「あいつのラッキーアイテムは矢だろ?ちくしょう、名前が有利なんだよ!」

(418字)



【あとがき】
皆様、新年あけましておめでとうございます。
お正月に相応しく、おめでたい宝くじネタ。ついついお仲間を登場させてしまいました。たらはさん、へいたさん、射谷さん、ありがとうございます。ちなみに射谷さんの下のお名前は「友里さん」です。有利じゃありませんので、どうぞお間違えなきよう。あ、苗字も矢の字じゃないですよ~。
(射谷さん、勝手に登場させた挙句にお名前変えてすみません…)

宝くじの抽選方法もいろいろあって、ジャンボ宝くじですと「電動風車式抽選機」。くるくる回る数字板に矢を当てるタイプですね。
一方、ロトくじですと「電動攪拌式遠心力型抽選機」。数字のついたボールみたいなのをぐるぐる回して、穴に落ちた数字が当選番号となるそうです。
ちなみに秋しばはロト派です(笑)
皆さん揃って、幸多い一年になりますように!!



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