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簡単なモデルマージで、Ponyの絵柄をスッキリさせつつ構図力も維持したい

 以前、ここのnoteで書いたのですが、SDXLのモデルの「Pony」は「他のモデルでは出ないポーズや構図が出せる」ことで人気を集めていますが、一方で「絵柄が濃い目でかつ構図やタッチが安定せず、イメージしたイラストを出すのが難しい」「構図力がありすぎて人体崩壊しやすい」というデメリットもあります。

 この「絵柄が濃い・安定しない」というデメリットを解消するのが、ebaraや7thなどのPony系の派生モデルです。
 絵柄が日本人好みのスッキリしたものになり、構図も落ち着いて人体崩壊がしにくくなる。
 いいことづくめのようですが、一方でPonyの強みである「構図力」はやや落ちます(もしかしたら本家並の構図を維持したものもあるかもしれませんが、少なくとも自分は知りません)。

 キャラ紹介イラストのような立ち絵メインのイラスト生成であれば派生モデルの方が適性がありますが、いろいろなポーズをガチャで出して楽しみたいといった用途だと、本家の「思いもしないポーズを出力してくれる」というのは大きな魅力です。

 以前「Pony本家の絵柄をスッキリさせるLORA」という記事を書きましたが、今回は別のアプローチ、すなわち「モデルそのものを改造(マージ)する」という手法を試してみたいと思います。


 手軽にできるモデル改造は「モデル同士のマージ」と「モデルにLORAを組み込むマージ」という2つの手法があります。

 どちらの手法も「Super Merger」というWEBUIの拡張を使います。SuperMergerのインストール方法や基本的な使い方についてはここでは解説しないので、別途解説サイトを検索してみてください。

 まずLORAのマージを試してみました。
 基本的な仕組みは絵柄LORAによるスッキリ化と同じで、LORAを外付けするか組み込むかの違いです。
 絵柄に対しては一定の効果が見られましたが、構図への影響はあまり感じられません。「暴れる構図を落ち着かせたい」という用途には不向きな印象です。組み込んだLORAが絵柄だけのために作ったものAなので当然といえば当然ですが…。

 次はモデル同士のマージです。
 こちらは、構図が安定する派生モデルの要素を取り込むので、構図への影響も期待できます。

 モデルマージはいろいろなやり方があって、こだわり始めるとガチ沼と化すのですが、今回はあくまで「手軽に」「だめもとで」という前提です。
 なので、さくっと本家と人気の派生モデルを掛け合わせることにしました。

 以前、当noteでは「大量のモデルを掛け合わせていくモデルマージ」を紹介しました。
 あのやり方は「絵柄を好みのものにする」ためのもので、調整の方向性は派生モデルと同じです。
 今回は「本家の構図力をできるだけ残したい」ので、マージはできるだけ少なくします。

 今回使うのは「add difference」というマージ方法です。
 これは「モデルBからモデルCの要素を引いたものをモデルAにマージする」というものです。
 例えばebara(モデルB)とpony(モデルC)の差分を取ってpony(モデルA)にマージ(add difference)すると、Ponyにebaraからpony要素を引いた部分をマージできます(ちなみにsum系のマージだと「ebaraに含まれるpony成分」もマージされます)。

 ponyにebara要素だけ足すならebaraでいいだろ…となりますが、ebara以外のモデルも一緒にマージしたり、本家以外の要素をできるだけ少なめにマージしていくことで、より自分好みのモデルに微調整できます。

 なお、筆者は理論的な仕組みを正確に把握しているわけではないので、わりと感覚的にやっています。
 今回もわざわざdefferenceせずにsumマージでも問題ないかもしれませんが、「雰囲気で」add ddefferenceしています。
 マージ自体は簡単なので、余裕があればいろいろなマージを試してみるといいと思います。

 以下、Super Mergerによるマージの簡単な説明と、マージモデルと本家Ponyの出力比較となります。

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