「ボーイズ・ラブ」
途中までpixivfanboxに限定公開で書いてたんだけど、noteに書くやつかなと思ってこっちに移した。
「BLとはなんぞや」
三十年BL小説を書いてるけど、一度も誰にも問われたことがない。
ないんだけど、わたしは「こういうもの」っていうのは最初から持っていたのであった。
誰にも訊かれてもいないのにいま書く。
わたしはだいたい七十年代から八十年代の少女漫画で思春期を過ごした。そういう中で「花とゆめ」や「lala」に掲載されている偉大な先生方の漫画や、その先生方の後の作品が大好きだった。今も好きだ。
ただ当時、かなり大きな不満が一つだけあった。
男の子たち、男性同士の激しい仲良し描写や恋愛があっても、片思い、また両想いだけどどっちかまたは両方が死ぬ。失踪する。とにかく結ばれることはない。という物語がほとんどだった。
編集部が「今でいうボーイズラブ」はOKしないという伝説もあった。真相は知らないし、例外の作品は存在する。「パタリロ!」等。
だけどわたしは、当時の少女漫画に登場するボーイズが、恋愛的にとにかくハッピーエンドになって楽しく生き延びる物語を渇望してた。
BLという言葉が生まれたときに、
「その日がきた」
って思った。
どっちも死ななくていい。
同性同士が恋愛しても、どっちも死ななくていいし失踪しなくていいし、ただ普通にいちゃいちゃしててそれでハッピーなんだ!
それがわたしにとってボーイズラブ。
ただなんでなのかわからないのはそれほどまでに渇望していたわたしが、そんなにハッピーなボーイズラブをたくさんは書けてないかもしれない。
主張したいのは、
「受けと攻めが必ずハッピーエンドになる」
というお約束を破ったことは。
たぶん一回だけある。それは本当のことをいうと、書くはずだったハッピーエンドになる後半を書いていないのだ。離れ離れになるところまで書いて本になり、後編を書く前にその出版社は倒産いたしました。
100冊くらいボーイズラブ書いてると思うんだけど、その一冊の前科がわたしの読者さんを疑心暗鬼にさせてしまうことがある気がしている。
大きな後悔なのであった。
サポートありがとうございます。 サポートいただいた分は、『あしなが育英会』に全額寄付させていただきます。 もし『あしなが育英会』にまっすぐと思われたら、そちらに是非よろしくお願いします。