【ざっくり】横浜F・マリノス 2021シーズン総括
どうも、akira(@akiras21_)です。
春先以降すっかりご無沙汰となってしまいました。
時期は師走真っ盛り。ついこないだまで桜の花が咲いてたのに、気付けば猛暑とメリークリスマス。いろんなところで一年の終わりを感じますね。終わりといえば2021シーズンが12月4日に閉幕。我が横浜F・マリノスはリーグ2位という成績で今季を締めくくりました。
今日までずっとレビューを書いてこなかった、というか書けなかったのにも一応理由があったんですが、そのあたりにも触れながら今季の振り返りをしたいと思います。一年の終わりぐらいせめて、ね。それじゃ久々にいってみよう。
起
「歴代最強の2位」と言いたいところですが、ぶっちゃけそうは思えないんですよ。
勝ち点やスタッツでいえば確かに圧倒的。面白いサッカーもしてたし、スタジアムに行くのが楽しいシーズンでした。そこに異論はないです。ただ、最終戦からしばらく経ってみて、夏の終わり頃からのガス欠→不調ズルズルが響いたなぁと改めて思いました。そのへんはDAZNドキュメンタリーでも選手やコーチングスタッフが触れてましたね。
要因こそ(おそらく)別ですが、このへんはカップ戦にもモロに出てたなと思います。「チームは生き物」とはしばしば言ってきましたが、ここまでチームが呼吸するのを感じたシーズンは過去一度もありませんでした。
承
「今まで通りアタッキングフットボールを続けるけどさ、でもバランスってものもちょっとは考えるんだぞ」と、指揮官アンジェ・ポステコグルーは今季試合運びに注力する旨をキャンプの頃に話していました。
いっぺんハマると攻撃的を通り越して暴力的なサッカーを繰り広げることで知られたストロングスタイルのマリノスですが、それではガタが出てしまった2020シーズンを反省したのでしょう。
1節・川崎戦の前半で新たなスタイルを大々的に披露し、0-2で折り返しと見事に爆死。後半からは従来のやり方に戻して無事1点返したのでそういうことかと。ベースこそ元に戻しましたが、ガラッと元通りかというとそんなこともなく。
今季は、どちらかというと、まずはしっかりボールを繋いでビルドアップに取り組み、要所でスピードアップを狙っていた印象。調子が良いときは相手がどこであろうと飲み込んでいたその様は、防波堤の遥か高くを行く大波のよう。
そして、シーズン前半はほぼ負けなかったんですよね。だからこそ首位・川崎に食らいついていけたわけで。このまま追いかけていけばきっと逆転優勝できる。そんなムードは突然、そしてあっさりと終わりを迎えてしまいます。夏場に。
転
アンジェ・ポステコグルーがスコットランドに渡りました。ほんと急。
オーストラリアからやってきたとんでもないクレイジー野郎(褒め言葉)が横浜に遺したものの真価は彼自身が去った後にこそ測ることができる…と思っていましたが、まさかこんなに早くその機会が来るとはねと。そしてよく分かりました。
アタッキングフットボールはまだハードウェアが形になっただけなんやと。
iPhoneに置き換えて考えてみましょう。あれって毎年のように新しい機種が出るじゃないですか。スペックが上がっていく。できることの幅もスピードも上がります。ただし機体としての形状はほぼ同じ。「iPhoneっぽい」と言われると、どんな形か頭の中でパッとイメージできますよね。このおおよその形状が定まってきたのが今のマリノスだと思います。
一方で、iPhoneを使う上ではiOSのバージョンアップも重要です。機能に手が加わって便利になっていく。そしてそれはiPhoneであれば、おおむねどの機種でも最新バージョンにアップデートできて、新しい機能も使うこともできます。例外あるけど。で、この「例外」っていうのがミソなんですよ。
「例外」は、初めのうちは使えなくてもそこまで不自由はしません。ですが、やがてこの機能が標準になると、これを搭載できない機種は「古い」ものとなり、使えなくなってしまいます。仮にギリギリ使えたとしても、機能が本来備えている便利さは十分に発揮されないわけですね。
機種としての形が定まってきたとしても、その中にあるパーツの性能や、期待をもって動かすソフトの機能の開発をおざなりにしてしまうと、やがて使われなくなり、使えなくなってしまいます。マリノスのサッカーはチューニングとアップデートの余地がまだまだ残されているのではないかと思うんです。
結
今季noteが書けなくなったのは、「マリノスらしいサッカーって何?」という疑問が頭から抜けなくなったからです。それまで「マリノスのサッカー」といわれていたものはありましたが、本当にそれはマリノスらしいサッカーなのか?という疑念を抱いてから、いろいろ考えながら試合を観ることができなくなってしまいました。
でも、結果的にはそれでよかったです。「らしさ」は積み重ねの中に生まれるもので、1試合1試合で見出したり、断言できたりするものではないと気付けたからです。確実にこれ!と言えるものはなく、絶えず変わっていくもの。その中にいくつか、ある程度継続するものがある。それを自分の中で「らしさ」として認識しているだけのことです。
だからこそ、きょうの自分が「らしさ」だと思っているものが数年のうちに失われることだってあり得ます。そう思ったとき、常に普遍の正答を求めるのはやめようと思いました。そのときそのときで正しいとされるものが、ずーっと正しいままとは限りません。まるで人生。そう感じて、ふっと肩の荷が下りたような気がします。
わたしはすっかりレビューを書けなくなってしまったので、今でも継続して書いている人たちのことは尊敬しています。謎解きの答え合わせを読むのは楽しいので、無理のない範囲で、是非これからもトライしてほしいです。
元はと言えば自分自身の見方を書き留めておこうとはじめたマッチレビュー。どうも思うように書けなくなったところで、自分がサッカーに惹かれた原点へと戻ってこれたのは何かの因果でしょうか。
おわりに
「マリノスのサッカーにはチューニングとアップデートの余地が残されている」と書きましたが、それがどういうものなのかは、このオフだけでなく、来シーズンも継続してチームビルディングが行われていく中で見えてくるものです。
ひょっとしたら、これまでとは毛色が違って見えるかもしれません。好むと好まざるとにかかわらず、です。でもそこで比較しているのはおそらく「アンジェのアタッキングフットボール」で、この先我々の前に現れるのは「これからのマリノスフットボール」。これをどう受け止めるかはわたしたち一人ひとりの手に委ねられることでしょう。
かつての日産自動車サッカー部を知る人々が口々に語るように、「マリノスらしいサッカー」はこれからも紡がれていきます。では、何をもって「らしい」のか?それを事細かに語ることは難しくとも、たとえば3つくらい特徴を述べられるようになる程度には、来季以降もマリノスのサッカーを見守っていきたいと思います。
選手、スタッフ、関係者のみなさま、そして今季もスタンドからトリコロールを後押しし続けたサポーターのみなさま、改めまして2021シーズンお疲れさまでした。来たる2022シーズンも共に期待して、それぞれ実り豊かで素晴らしい一年にしましょう。それではアスタ・ラ・ビスタ。
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