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翔べ君よ大空の彼方へ     4-㉒ 夢の旅路

 彼は夢の中で旅を続けていた。
足摺岬の先端、金剛福寺を発ち、峠越えを連日続け、また目の前に現れた海•••いつの間にか土佐から伊予に入っていた。
 宇和海を眺めながら歩き続けた彼に、たくさんの人々がお接待を施してくれた

 コンビニのイートインコーナーでの小休止中に、飲料水と唐揚げ弁当をお接待してくれた青年店員、峠道の四阿でお茶とあんぱんをお接待してくれたおばあさん、公園のベンチで休んでいた時には、親の手を離れた幼稚園の園児が、手のひらからはみ出るほどの大きなおにぎりと
冷えたお茶を胸に抱え、
「お接待やき!」と言って、彼の手にお接待を載せてくれた。

 彼は園児の頭に手を乗せて、感謝の言葉を3回唱え、3枚の納め札を手渡した。
 園児は、彼に頭を下げて走って両親の元へと戻った。
 丁寧に頭を下げた3人に、彼もまた手を合わせ、頭を下げた。

 たくさんの善根に救われ、彼は歩き続けた。

 四十二番仏木寺の〝家畜堂〟には、農耕に携わった牛や馬の草鞋などが奉納されていた。
 ペットの供養に来ている親子連れが暝目し、手を合わせ祈りを捧げていた。

 彼もまた、不運にもターフの上で突然命を終える事になってしまった競走馬達を思い出し、その魂の平安を願い瞑目した。

 海に別れを告げ、降りしきる雨の中、梅雨入りのじめじめとした湿気に悩まされながらも、自身の五感を頼りに、〝同行二人〟の金剛杖を手に遍路道を歩き続けた。

 四十八番西林寺、大師の霊力溢れる冷水で身体と心を満たし、道々に咲く菖蒲やつつじの花に心を解きほぐされながら
、松山市内を目指した。

 五十一番石手寺を打ち、目的地である道後温泉に三日間逗留する為、一時遍路旅を離れた。

 3度目の巡礼で、初めての小休止であった。


 遍路中に、天国で眠るその人が夢に現れる事はなかった。けれど、彼女が後からついてくるような、背中を押されているような不思議な感覚を感じていた。

 彼女の大好物、一六タルトを食べながら坊っちゃん列車に乗り、ロープウェーを使って、132メートルの山頂にある松山城へ登った。桜は既に散っているものの、市内の景色が鮮やかに広がり、しばしの間、その光景を目に焼き付けていた

 坊ちゃん団子を食べながら市内を散策し、道後温泉で体の疲れを癒した。

 亡き人との思い出を作るかのように、彼は時を過ごしていた。


 小休止を終え、再び歩き始めた彼の目に映ったのは、雄大な瀬戸内海であった
。その海もまた、命に溢れていた。

 西日本最高峰である石鎚山(標高1982メートル)の中腹にある難所、六十番横峯寺を打ち、彼方に聳え立つ石鎚山を見上げ読経を唱えた。彼の読経に合わせるかのように、数羽の不如帰が鳴き声を放ち、彼をじっと見つめていた。

 愛媛の松山から香川の丸亀へと延びる讃岐街道を歩いていると、逆打ちの遍路の一団と遭遇した。
 10人はいるだろうか•••街道を挟んでではあったが、互いに会釈を交わし、遍路の無事を祈り合った。
 順打ちしか経験していない彼にとって何度か遭遇した光景•••最後の遍路は逆打ちかな•••彼がそう考えながら歩いていると、突然おばあさんに声を掛けられた。

「暑いでしょ!ウチに寄って行きなさいな!」

 庭には、色とりどりの薔薇の花が咲いていた。まるで秘密の花園のような、あまりに美しい光景の中、彼はお接待で頂いた冷たい麦茶とおはぎで、目を、喉を
、心を潤し、おばあさんの笑顔に見送られて出発した。

 六十五番札所では、一風変わったお接待を受けた。境内にいた若い女性に似顔絵を描いてもらったのだ。
 彼女は彼を見て、一瞬思いを巡らせたものの、笑顔でペンを走らせた。
 そのあまりの出来栄えに彼は驚き、丁寧に頭を下げ、納め札を渡した。彼女もまた丁寧に両手で納め札を受け取り、彼を見送った。

〝あなたがたくさんの人々に笑顔を、勇気を与える日が、1日でも早く訪れますように〟

 彼は色紙の裏に書かれていたその文字をじっと見つめていた。

 強烈な西日が彼の背を照らしていた。

 全長855メートルの長いトンネルの向こうは、讃岐の国であった。

PS•••いつもお目に留めていただき、心より感謝いたします🥹🙏次回配信は、3月2日土曜日午前8時です。天国で翔馬を見守る彼女が姿を変えて現れて😢

 3月•••日一日春に近づいていますね☘️
コロナ、インフルが😷流行ってますので
、皆様ご留意のほどを🙏🙏

 それではまたお会いしましょう🙏🙏

           AKIRARIKA


   🐴馬旅の続きと諸々🤭🐴

キツネ🦊だよね🐾🐾🤭
ギム様、元気そう👍👍
北の空気はマイナスイオンたっぷり👍
大好きなオグリキャップ🐴🔥💨
キラキラ光る✨✨
この子、絶対に大物になる🔥🔥👍
父キタサンブラック🐴💨💨
雄大なノーザンホースパークの敷地の一角。
北海道鵡川の夜明け🥹🥹
素敵な朝ごはん!by、苫小牧のホテル杉田👍🥹🙏
新千歳空港のカフェにて☕️🍰パフェのクリームは、よつば🍀だったから最高に👍🤤😋
ありがとう😊😊😋


   まだまだ続きます🐴🐴🐴


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