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人と組織.3-組織運営も経営も「組織の劣化」との戦いである

前回のブログで述べた「組織における非合理さ」とは、一体、何故生じるのだろうか?

多くの企業組織では、アカデミックな戦略や多種多様な組織体制、そして制度仕組み等が、いずれも一定のねらいや目的に従って、論理的に合理的に構築されているにもかかわらず、何故そのねらいや目的通りに機能しない、或いはしていないのだろうか?

私は、それを機能させる、動かす、マネジメントする、人間側に大きな問題があると思っている。

戦略や組織体制或いは制度・仕組み等がいかに素晴らしいものであったとしても、それはあくまでも論理の領域のことであって、仮に他社がその戦略や組織体制で成功していたとしても、それでわが社も同じように成功するわけでは決してない。

ひとつに、論理の領域というのは、理屈上の話であること、理屈としては、頭では確かにそうだと思えることも、その論理を駆使して、人を動かして、成果に結実させるのは、あくまでも人間なのである。

その企業組織で働いている人達の考え方や価値観、行動は、組織の過去からの様々な空気や規範や慣習、或いは価値観等の目に見えないもの、いわゆる組織の土壌や風土・体質といったものに大きな影響を受けるのである。

繰り返すが、論理という理屈は、感情の動物である人間の思考・行動並びにその組織の風土や体質が、促進要因となったり阻害要因になったりするのである。

従って、新しい戦略、組織体制、制度仕組み等を導入する場合に、この点に十分な配慮をする必要がある。

例えば、部屋の中は、ほっておくと自然に散らかっていくが、自然に片付くことは決してない。

人間が意識的に行動することでしか片付かない。

つまり人的資源という人間もそして人が働いている組織もほっておくと乱雑となり次第に劣化していくのは間違いない。


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