アキラムムリクの懐古録


昔、ここらへんでサバゲをよくやっていた。

当時サバゲをしている人達は、世間様から疎ましく思われていた。
折しも、冷戦が集結し、崩壊したとは云え、未だバブルの余韻が残る90年代前半。
それ以前からもあった エコロジーの潮流が社会に認知され始めた時代でもある。

オゾン層を破壊するフロンガスからエアーコンプレッサーに移行しつつあり、弾(BB弾)も、土に還るものを一社だけ出し始めた頃だった。それは大変高価で、安弾の6倍以上の価格がしていた。

ボクは、マシンガン用に、「かーる君(ミニ)」という 何だろうあれは、、30ℓのタンクを背中に背負って戦っていた。

まわりのものは皆、ガスだったので身軽で、おれだけまるでハンディを背負っているみたいで不公平な気もしたが、「フロンガス撒き散らして、ケミカル弾ばら撒いてまでやる遊びではない」という矜恃にも似た想いのほうが強かった。

それまでも、それからも、今もなお、「産業界・経済界」というものは、環境や人体への安全などというメシの種にならんものは軽視しし続けているが、ボクがかつて居たこの業界は、小さいからかもだが、「社会の声を全面的に受け入れた」のだ。

とてつもない技術革新を迫られ、売り上げも減り、経営展望もベースから変えなければならないほどの変革。

まともな経済人なら、そんな危ない橋は渡らずに、社会の声をもみ消す手法を取る。

戦争や、戦争で商売する奴らは、ボクも大っっっっ嫌いだ。

理解していただけるかは不安だが、サバゲのプレーヤーや、ガンマニア、ミリタリーオタクは、戦争を望んでは居ない。

個人的には、拳銃の機能美に惹かれているところもある。

ただただ純粋に「モノとして美しい」、「デザイン性が高い」などの理由で、モノとして好きだ。
「日本刀の波紋が美しい」と似たものでもある。

毒吐きが続くといけないので、ここらで切り上げるが、一社ではなく、業界全体で舵を切った エアガン業界は、立派やとボクはおもうよ。

20年ぶりくらいに此処に立ち、あの時より少し大きいものを背負って、あの頃聞こえなかった・気づけなかった色々な生命の声に、今は気づけ、聴くことができた。

水鳥、イノシシ、サル、タヌキ、キツネ、虫、菌類..木々。
多種多様の生き物が "循環" できる世界こそ、そういう環境こそ、この後何千年も私たちがこの星で生きるため絶対条件。

何にも知らないガキンチョだったけど(今もそうだけど)、感覚だけは敏感でよかったと、この里山に居てそう思った。

ここを破壊するような行動を取らなくて、ほんとうよかった。

頭でわかったような気がしてても、ほんとうは何にもわかっていないことが、この世にはたくさんあるんだよ。

謙虚に、慎重に、云い換えれば「ビクビクしながら」生きているくらいが、人類案外丁度いいのかもしんない。

何もかもが欲しく、何もかもに怯える、気取った男子中学生のように。


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