トリカブト
素敵な景色はひとりでゆっくり、好きなだけ・好きなように観たい想いがある。
が、思い出に残る瞬間というものは、ただ「綺麗だ」とか「なんと美しい..」というものだけではなくて、そのときに至るまでの過程とか、誰と一緒に観たか、とか、風景以外のものが、思い出に強く残る。
この写真は、幼馴染と山で泊まったときの写真だ。
小学生の頃は、よく行っていたのだが、それ以来20年ぶりくらいに、小学生のときとは違い自分たちだけでする、初めての山行であった。
日本百花名山の、名峰。
山野草がたくさん咲き誇る素敵な山である。
..あの頃と同じ少年の頃に戻った僕らは、ただただ自由だけを追い求めた(真田広之風に)
写真の手前に写っている青い美しい花は、 トリカブト です。
そう。保険金をもらうのに必要な、致死性の、猛毒草です。
(ちなみに、不細工な顔を指す「ブス(附子)」の附子は、トリカブトを指します。 :アルカロイド系の毒で、(顔面の神経を麻痺させ)死に至らしめるので、ダラけた顔をブスと呼ぶようになった))
ボクはこのとき、この花・草が トリカブトとは知らずに、 「わぁぁぁぁぁ、なんて綺麗な花なんだぁぁぁぁ(((o(*゚▽゚*)o)))」 と、久々のそういう、幼馴染との邂逅、しかも山で、という前フリに脳内お花畑になってしまって、 トリカブトの葉っぱを、スープに入れて食った。 (お花畑だったんで、「スープにこの葉っぱ散らしたら素敵デショー(((o(*゚▽゚*)o)))」となっていた。普段の山ではそんなこんなことしない)
結果、特に別状はなかった。
生きていた。
それは、トリカブトの毒素は、根に集まるということだけやとおもう。
(葉や花にも、一応あるらしい)
トリカブト毒の致死量を、あとになって知って、いかに自分が阿呆やったか思い知った。
この写真を最期に死んでいてもおかしくなかった。
けど、おれは生きていた。
たぶんそれは、もっと色んなことを知って、成長する機会を与えられたのやとおもう。
がんばっぞー!
(最近は生涯学習の一環で、水銀やヒ素、鉱物毒、重金属について学んで居ます)
...なのでみなさん。
「あゝ!! なんて素晴らしい景色なんだ! 友よ!お前ら最高!愛してるラヴィンユー!!」 とか、激昂しても、その辺に生えてる草とかキノコ(マジ)とか食べないでくださいね。
青春の情熱は、下山してから醸し出しましょ(๑′ᴗ‵๑)