信楽のたぬき
信楽と云ったらやっぱり たぬき でしょう。
今や全国区となった(?) この信楽焼のたぬきの置物。
バリエーションは数あろうが、メジャ、スタンダードスタイルと云うならば、こういうことだろう。
・二本足直立・傘を被っている・右手に酒徳利・左手に帳簿。
あと、金玉がデカイ。=雄である。
..なぜだろう、と調べてみたところ、意外や歴史は浅く、戦後からだそうな。
戦前から戦中、鉄や金属が軍に押収され、庶民が使える硬いものの品が薄くなってきた。
(それ以前に金属産業が台頭し、陶磁器産業が衰退しつつある背景を持つ)
それを受け、全国の窯所は操業に拍車をかけた。
(戦時は、手榴弾の外装の鉄が手に入らないので、陶製ものもあった)
終戦。
復興を目指す土地土地に、昭和天皇が行幸した。
信楽のひとびとは、天皇陛下を迎えたいが、戦時戦後ゆえに流通がなく、なにも華やかに設えられない。
そこで、地場産業である陶器でもって、 たぬき を造り、昭和天皇を迎えた。
国道を、ずらぁ〜っと、小さなたぬきが、日の丸の旗を持って迎えたそうだ。
昭和天皇はその光景を観て喜ばれ、歌を詠み、そのことが全国に拡がり、現在の「たぬきの置物(=商い繁盛)」に成ったのだと。
ちなみに、なぜ、「狸-たぬき-」をキャラに仕立てたかと云うと、
「たぬき-他 抜き」、他を抜いて商売繁盛。
という意味づけが主説だ。
そう、近江商人の圏内なのだ、信楽は。
そして、忍者の土地でもある。
このたぬきの置物がある家々や商店は、忍者の支所と云っても過言ではない。
お気をつけられたし。
♪たーんたんたぬき〜の きーんたまはぁ〜 かーぜもないのにぶーらぶら
そーれを みていた子だぬきは〜 父ちゃん いいもの 持ってるね〜♪